第七回日本伝道会議(JCE7)は継続的な取り組みをするプロジェクトを進めている。各担当者に聞いた。

これまでの記事

① 共通のゴールを再確認 小平牧生氏=実行委員長 2023年06月04日号

② 中西雅裕プログラム局長 より本質に向かう機会に 2023年06月11日号

③ 福井誠 プログラム局員 皆の意見を反映した内容に 2023年06月18日号

④ 羽鳥頼和 開催地委員長 「東海」を宣教モデルとして 地域協力の土壌をさらに

⑤「S&L」共同代表 内山勝さん 賜物を結ぶ出会いの場を 2023年07月09日号

⑥ プロジェクト「世代循環」「過渡期こそ本質を」 2023年07月16日号

⑦ プロジェクト「日本社会と宣教」「ディアスポラ」 2023年07月30日号

⑧ プロジェクト「ファミリーミニストリー・サミット」「平和研究会」 2023年08月06日号

⑨ 宣教協力を考える会 教団教派の新パートナー、開拓者アセスメント&開拓支援センター 2023年08月13日号

⑩ 学びの場を各地に すべてのまちに教会を 2023年09月03日号

 

多次元の聖書文脈探訪 ANRC―JCE7 青木 勝さん

 

プロジェクト名は「宣教協力の未来開拓~聖書文脈探訪」。戦後のビジネスフロンティアを受け継ぎ、国際人・国際家族やZ世代への宣教協力の受け皿をめざす。

青木氏は今回の「聖書文脈探訪」について、「第六回日本伝道会議に始まった『ビジネス宣教協力の次世代構想』プロジェクトを具体化させる。一般の方々や信徒が、時代や社会で取り組む文脈の中で、未来につながる古典である聖書文脈を探訪しながら、包括的受容と未来共創に挑戦する。さらに、多次元に働かれる神との対話や祈りを通し、サイバー・フィジカル・コミュニティーによる教会ネットワークの拡大をめざす」と話す。

「聖書文脈を社会課題に適用させるため、双方の文脈を融合させながら、未来の時代枠へ多次元に展開させる。昔も今も四次元に展開された感動物語を二次元の書物に止めず、多次元の感動として伝えたい、音楽、美術、スポーツなどの非言語アプローチや非認知能力を生かすアプローチのさらなる開拓をめざします」

JCE7(第七回日本伝道会議)開催を契機に、同プロジェクト担当のANRCのウェブサイト(URLanrc.jp)に、視点や開拓事例が掲載され、スマホ検索が可能になる予定。「疫病や災害、テロや戦争、格差や経済破綻など、全世界、全世代が同時並行して試練の中にあるが、SDGsの先に『ウェルビーイング』(個人や社会の健康)をめざす。忍耐と希望、祝福を受け継ぐ古典として、聖書文脈探訪が期待される。聖書アプリや対話型AI検索ではアクセスしきれない、聖霊の助けにより神の恵みに生きる開拓事例が、Z世代から広がることを願う」

JCE7では世代間連携に注目する。「次世代教育の『STEAM教育』では、思考力、創造力、意欲・ワクワク感が未来を生きぬく力となる。100歳時代において、10代、40代、70代の30年サイクルで就活・終活に取り組み、未来を共創する多世代連携がZ世代から進展する、それがおわりからはじめる宣教協力になる」

 

終末への包括的な課題 聖書的環境コンソーシアム 小川 真さん

プロジェクト名は「環境プロジェクト~被造物ケアの使命に生きる~」。

小川氏は「『包括的宣教』の中に、環境問題を位置づける。聖書から立ち上がる環境への問題意識を大切にしたい」と話す。「環境問題について、クリスチャンでも個人で取り組んでいる人たちはいるが、なかなか教会的な課題としてまで理解は広がっていない。

海外に目を向けると、世界福音同盟(WEA)では『持続可能センター』が設立され、環境、持続可能性のテーマが大事にされている。神が造られた世界を破壊することなく健全な姿に保とうという姿勢は、キリスト者でない人々に対しても良き証しであり、福音を伝える機会となる。環境問題は、キリスト教会として取り組む課題であることを共有したい」と勧めた。

今回日本福音同盟を通じて、環境問題へのアンケートを各教会に送った。JCE7の分科会で発表する。WEA持続可能センターが作成した「聖書とSDGs」の翻訳小冊子も配布する。今後も学び会、シンポジウム、海外の取り組みの翻訳出版、関心ごとのイベントなど、情報共有しながら継続する。

JCE7の「おわり」というテーマについて小川氏は「御国の完成に向かう歴史の中に、いかに環境問題をとらえるか。日本の宣教においても大事なテーマ」と関心を抱く。

「幅広い人々が集まり、宣教を考える貴重な機会。現状の課題とともに、宣教のうねりを肌で感じたい。教会には変わるべきでない部分とともに、変わるべきところがある。環境は変わるべき分野だと思う。宣教の新しい取り組み、発展を見られることをJCE7に期待します」
(つづく)

2023年09月10日号 07面掲載記事)