第七回日本伝道会議(JCE7)の各集会を宣言文「『おわり』から『はじめる』私たちの祈り」(以下宣言文「祈り」)に沿って伝える。連載第4回は「2030年問題」や「聖徒聖書学校」についての分科会から。

 

前回

① 全年代で「次世代」育てて 「次世代育成者のためのカンファレンス」上 2023年10月29日号

② 共に成長する姿見せたい 「次世代育成者のためのカンファレンス」下 2023年11月05日号

③ 日本的家族観をこえて 「次世代育成検討」「ファミリーミニストリー」2023年11月12日号

 

 2.立場を越えた宣教協力を「はじめる」

宣言文「祈り」の「2.立場を越えた…」では「若い魂」の健全な成長を願い、「豊かな交わりに生かされ、聖書が語る希望に人生の土台を据え、生涯を通して神との確かな関係に生きること」とある。

 

分科会「2030年に向けた青年宣教」は日本福音同盟青年委員会が企画した。次回の日本伝道会議開催が見込まれる2030年。少子高齢化は加速し、教会数・教職者数・信徒数は大幅に減少すると予測されている。

発題者の玉川聖学院学院長・安藤理恵子さんは、「少子化、震災など、危機と思える時こそ、神が主役となる」と語りかけた。

「多様性」が叫ばれる社会の風潮の中で聖書の価値観をはっきり示すことの大切さを語った。

「〝ありのままで愛されている〟。そこから始めることは大切だが、成長したいと願う若者たちに(クリスチャンの)大人たちが応えなくてはならない」「自死が多い日本。若者たちには『転生』などの価値観がはびこり、本当に追い詰められたときに一線をふみこえてしまうかもしれない。しっかりと聖書の死生観、福音に生きることについて伝える必要がある」「教会の中で癒やしがなければ若者たちは去っていく」などと語り、福音宣教のために人生を捧げようと参加者を励ました。

発題を受け、吉村和記さん(インマヌエル綜合伝道団青少年部コーディネーター、久留米キリスト教会牧師)が高齢者と若者の接点の必要性について語り、スズキ知恵子さん(hi-b.a.高校生聖書伝道協会全国宣教活動責任者)が「まず自分がみことばを受けとり、今与えられている青年に何ができるのかと考えたい」と語った。

§   §

宣言文「祈り」には「信徒と教師が、互いの役割の違いを理解しつつ協力し、それぞれの個性を尊重して支え合い、共に主の教会を建て上げる」ともある。

 

プロジェクト「全国『聖徒聖書学校連盟』の創設と推進」は、「聖徒聖書学校」を設立する会の主催により行われ、東海聖書神学塾・塾長の後藤喜良さんが発題した。テーマは「全国の各地域に、『宣教する教会』が形成され、成長していくために『聖書聖徒学校』を!」。

「宣教」の使命を果たすために、「聖徒聖書学校」(以下「学校」)は、地域の教会協力として行い、各教会の聖徒たちに奉仕に必要な全てのこと(聖書、教理、倫理など)を教え、訓練する。だが、奉仕者を整えることは牧師の責任。当該教会の牧師は派遣している聖徒に対する援助、指導、配慮が必要だ。

学んでいる聖徒が教職者への召命を受けた場合は「教職科」の設置も検討する。「学校」の教師には、地域の牧師、牧師夫人、キリスト者の専門職、他地域の「神学校」の教師(オンラインで)が考えられる。教師と学生、学生どうし人格的な交わり(対面が良い)ができるようにしたい。

「学校」は、地域教会に仕え、1教会ではできない、特別講師を招いての講座開催など、地域の「宣教センター」の役割を果たすべき。そのためにも、交通至便の教会などに教室を持つことが望ましい。

聖徒を整えることで「兼牧」も可能になり、「無牧」教会が減る。各地域での「学校」設立を検討願いたい。今後は全国にある信徒学校の調査とリスト化、連盟の組織化を呼びかける。 (つづく)

2023年11月19日号掲載記事)