【神学校特集】士官養成の現状と展望 救世軍士官学校
救世軍士官学校
校長 ダニエル・テンプルマン‐トゥエルズ
2023年10月に「召され、契約し、任命された」の主題のもと救世軍万国士官学校長会議が開催された。全世界からケニア・ナイロビに招集された約115人の士官学校長ないし教官が21世紀における士官候補生(神学生に相当)の教育訓練と霊的指導者の育成について検討した。
召命に対する捉え方やそれに対する応答の仕方は一人一人異なっている。「フルタイムの奉仕」という概念についても捉え方が異なるかもしれない。それを生涯にわたる誓約として引き受ける者がいる一方、三年間のミニストリー(宣教の働き)を契約の形で引き受ける者もいる。
私自身のミニストリーにおける捉え方としては、救世軍士官(教職者)の教育訓練と霊的指導者の育成について三つの柱があると考える。それは頭と心と手だ。
「頭」とは、士官学校(神学校)で受けた二年間の教育訓練の内容を意味する。「心」とは、学んだことを受け止めた結果として自身の心と魂にどのような霊的成長が見られるかを示している。「手」とは、実際的な訓練であり、学んだことを実地で試すことによって、地域のコミュニティーに具体的な奉仕ができるよう自身が整えられることである。
現代における救世軍は世界の一般的なキリスト教会と同様に教会員の減少という問題に直面しており、士官学校への入校者を得ることに難儀している。さらに、士官学校の入校者には昔と異なる状況が生じている。例えば、士官学校の訓練を終えて任地に赴くにあたり、前任者が長年不在だった小隊(教会)に遣わされたり、主任命に加えて二つ三つの兼任が与えられたりする可能性が高くなっている。
かつては、兵士(信徒)や下士官(教会役員)の教育訓練は伝統的な小隊のプログラムを通じて地方レベルで行われていた。しかし、ライフスタイルの変化に伴って、、、、、、、、
(2024年01月07・14日号 08面掲載記事)