【レビュー】『なぜ子どもは神を信じるのか?』『聖書のお話を子どもたちへ』『「良心」の天路歴程』『苦しむ人・悲しむ人の支えとなるために』『2023ケズィック・コンベンション説教集』
「子どもに神を信じないようにさせるのは困難」だという。『なぜ子どもは神を信じるのか? 人間の宗教性の心理学的研究』(松島公望監訳、矢吹理恵ほか共訳、教文館、2千970円税込、A5判)の著者J・L・バレット氏は、宗教認知科学や宗教発達心理学の先駆者であり、その知見を同書で一般向けに伝える。子どもの自由を尊重しつつ、健康的に宗教性発達を促す10のガイドも紹介する。著者はキリスト教と科学を統合する「Blueprint1543」の創設者。
聖書を子どもに語るにはコツがある。『聖書のお話を子どもたちへ』(小見のぞみ著、日本キリスト教団出版局、千540円税込、四六判)は、聖書物語創作の意義やその方法・工夫を分かりやすくまとめる。伝わる話の3ポイント、お話づくりの4ステップ、お話のタイプ別の特徴など。著者の恩師や「お話名人3人」のエピソードから、聖書の語り人の脈々とした伝統も伝わる。
ルターを軸にヨーロッパの人間学を解明してきた著者が『「良心」の天路歴程』(金子晴勇著、ヨベル、千980円税込、四六判)によって「良心」の全体像を説明する。「社会的」、「倫理的」、「宗教的」な良心を解説。「良心の自由」とは、社会的権力や規範に規定されるもの以上に、「いっそう高い権威の声を内に聞いて警告」する自由だと理解できる。
『苦しむ人・悲しむ人の支えとなるために スピリチュアルケアの現場から』(窪寺俊之・島田裕子・赤刎正清・岸本光子・清田直人・上田直宏共著、いのちのことば社、千650円税込、A5判)は不登校、難病、受刑、死別、など多様で具体的な現場における、スピリチュアルケアの実践を報告する。最後に、すべての人が互いを配慮する「日常のケア」について「神の国」の視点を示す。
「コロナ禍」をへて、3年ぶりに対面開催となった全国聖会と各地方聖会をまとめた『2023ケズィック・コンベンション説教集 キリストの光に照らされて歩む』(大井満責任編集、千650円税込、日本ケズィック・コンベンション、四六判)からは、会衆との対話を試みる説教者の姿もうかがえる。
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