6月23日号1面:東海で信徒の“賜物”つなぐ 「S&Lフェス」初開催
午後の分科会では、働きの種類ごとにアイデアの共有やネットワークづくりが進んだ
昨年の第七回日本伝道会議(JCE7)開催地となった東海地域では、信徒の賜物をつなぐプラットフォームづくりのプロジェクト「S&Lネットワーク」が進む。6月8日、昨年以来となる対面集会「S&Lフェスティバル」が開かれた。
会場となった名古屋市のアッセンブリー・名古屋神召キリスト教会には、愛知を中心に、岐阜、三重、静岡など各県から参加者約80人が集った。
山田さん
午前の集会では、岐阜県美濃市の町工場、有限会社シオンの代表取締役社長、山田健さん(同盟福音・芥見教会会員)が証しした。2013年に優勝した全日本製造業コマ大戦の模様を映像で紹介すると、会場はわいた。
両親から町工場を受け継ぎ、01年に同社を設立。「社名、仕事の内容、社員を含めた私たちの存在で神様の存在を知ってほしい」と話す。大手メーカーの下請け仕事が中心だったが、08年のリーマンショックで打撃を受けた。しかし全日本製造業コマ大戦を通して、勝利のみならず、二つのオリジナルブランドを立ち上げにつながった。「これらは本当に自分の力ではない。『神様の導きです』と証ししています」
一方で辞職した社員らを思い出し、声を詰まらせる場面もあった。「小さな配慮が足りなかったと思う。自分を戒めるため、コンビニでトイレ掃除をしている。『汚い』『褒めてほしい』。そんな変わらない自分の思いに気づく、神様との対話の場だ。赦してくださる神様を信じて経営を続けていきたい」と話した。
後半は企業家、居場所づくり、賛美・祈り、「新しいサークルを考えよう」のグループごとに昼食を交えながらの分科会。各グループではアイデアを共有しながら、LINEグループの開設、世話人選出など、ネットワークづくりを進めた。会場ブースではギター工房、壁画工房、ゴスペル、宣教フォーラム三重、次世代集会、などが紹介され、集会終了後も会場のあちらこちらで会話が続いた。
企業家グループは、経営者の妻の悩み、零細企業の将来の在り方、クリスチャン企業家の食事会の案内、南海トラフへの危機感とネットワークの重要性、労働者との対話支援、起業への関心、など様々な取り組みやアイデアが話された。
居場所づくりグループでは、二つの教会で実施している「子ども食堂」の働きを紹介した。地域のネットワークやカフェなどとの連携なども共有。地域のグループに教会堂を開放し交流の場にしたり、学習支援や子育て相談に広がるなどの展開も話された。
賛美・祈りのグループでは、当初具体的な集会づくりを構想したが、各教会のスタイルの違いなど、様々な課題を共有し、「祈りが重要」という点で一致した。各地域教会の特色を生かした賛美集会を巡回する、などの提案もあった。
「新しいサークルを考えよう」グループでは、会話をしながらの「夜散歩」や、ミニ四駆ブームに対応したイベント、気軽な情報を共有できるプラットフォーム、などのアイデアが交わされた。
「S&Lネットワーク」共同代表の内山勝さん(インマヌエル名古屋教会牧師)は「他の教会の人とも友となることは、天国に行く前の練習になる。今回は四つのグループを選定したが、皆さんの意見を募り、集会の持ち方、ゲスト、テーマを考えていきたい」と今後に期待した。【高橋良知】
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