第四回ローザンヌ世界宣教会議(9月、韓国仁川、オンライン)に向けて、毎週配信中の「ローザンヌ運動ポッドキャスト」(URLlausanne.org/podcast-series/lausanne-movement)から主要な論点を紹介する。第4~6回(2023年10~11月配信)では、宣教会議そのものの特徴が語られた。

 

第4回配信は、クリスチャンの協力を促す「共同アクションチーム」(URLlausanne.org/l4-act)から、共同代表のジュリー・クリエルさんとユ・ジヨンさん。クリエルさんは「共同で働くことで、重複が避けられ、働きは何倍にもなる。世界で何が起きているかを理解すれば、正しいつながりを築くことができる」と強調した。 「あたかも個人の努力かのように信仰生活を送っている人が多すぎる。ヨハネ17章に立ち返りたい」と述べた。

ユさんは、19年の東アジアYLG(若手リーダー大会)の準備を通し、文化を越えて協力する大切さを知った。「協力には不必要なほど時間がかかるが、神がこの全体を導き、無駄なように思えた時が、実は美しいものだったと分かる。時間と謙虚さと意欲が必要。あなたもわたしも何かを得られるから協力する、のではなく、たとえ何も得られなくても協力したい。それはキリストご自身の姿」と語った。

若者への発信にも関心を持つ。「同じ音楽、メディアを消費し、パンデミックを経験した世代。1つの大陸、聴衆にだけではなく、世界中の聴衆に届ける必要がある」と述べた。

第5回配信は集会構成について、エヴィ・ロデマンさん、デイビッド・ベネットさん。神学者でありイベントマネージャーでもあるロデマンさんは、イベントの在り方を研究してきた。今回の宣教会議について「200か国以上が参加し、一緒に何かを生み出す触媒的な役割を果たせる」と期待。「すべての声が大切にされる環境をつくる。積極的に声を上げてほしい。でも積極的に聴く姿勢も持とう。異なる文脈、国家、文化、言語の人と膝を交えてほしい」と励ました。

ローザンヌ・グローバル・アソシエート・ディレクターのベネットさんは「世界の変化とともに、ニーズやギャップも変わる。キリストのからだは、時々再確認する必要がある」と述べた。「今回、バーチャル参加も可能だ。デジタルプラットフォームを用意し、ローザンヌ運動の多くの文書、映像、録音を用意している」と紹介した。

 

「使徒」を偏見なく読んで

 

第6回配信は宣教会議期間中に、連続聖書講解される「使徒の働き」(「使徒」)について、マレーシア・メソジスト教会名誉監督フワ・ユンさんが話した。「『使徒』は私たちの基礎モデルになる」として、「従来の福音派では、超自然的な側面や霊的な側面が欠けていた」「初期の教会共同体では、社会の分断にも挑戦し、あらゆる人のニーズに配慮していた」などの例を挙げた。

宣教の広がりとともに、西洋と非西洋のギャップにも触れ、「一方では聖書を尊重し、他方では自分の文化を真剣に受け止めたい」と話した。迫害については、耐え忍んで祈り続けていた初代教会や、離散後の宣教の拡大に注目し、「迫害にどう対処するかを再考する必要がある」と述べた。

日常生活、職場における証しの重要性も強調した。「フルタイムの専門家に依存しないでほしい。誰もが自分の役割を果たせば、福音は伝えられる」と励ました。「先入観を持たずに『使徒』を研究し、読み、黙想してほしい。今日の私たちに何を伝えているだろうか」と勧めた。【高橋良知】

2024年07月14日号 07面掲載記事)