「本土防衛の捨て石」再来を危惧 「沖縄のつどい」で琉球新報記者・明氏、軍事要塞化進む沖縄の現状を報告

「沖縄の集い2024 沖縄から見える日本~この国は戦争へと向かうのか~」(同実行委員会主催、明治学院大学国際平和研究所共催)が7月17日、東京・港区の明治学院大学白金キャンパスで開かれ、明真南斗氏(あきら・まなと、琉球新報記者)が「『南西シフト』の変容と加速 軍事要塞化が進む琉球弧の今」と題して講演した。
【中田 朗】


講演する明氏(右)

琉球弧とは奄美大島から沖縄、台湾までの弓上に連なる数多くの島々のことで、南西シフトとは中国の海洋進出などを念頭に、沖縄を含む日本の南西地域で自衛隊の体制を強化する日本政府の方針のこと。この南西シフトが加速していると明氏は言う。「陸自施設がない場所に与那国島(16年)、宮古島、奄美・瀬戸(19年)、石垣島(23年)と次々に駐屯地・分屯地が開設され、今年3月には沖縄県うるま市の陸自分屯地に沖縄本島初の地対艦ミサイル部隊が配備された」

22年12月に閣議決定された、防衛力整備計画などを盛り込んだ新たな安全保障関連3文書(3文書)には、沖縄に関して大きな変化が書き込まれたと話す。「県内に駐留する陸自部隊の増強、弾薬庫設置や補給体制の強化、南西地域への輸送力強化、有事には全国の部隊が機動展開、が書き込まれている。継戦能力、抗たん性(攻撃を受けてもダメージを減らす)を重視し、本当に戦える自衛隊へと向かっている」

だが、そこに住民が視野に入っていないと指摘する。「3文書では自衛隊の施設や軍備の強化だけでなく、民間の港、空港についても、自衛隊、海上保安庁が使えるようにしていくと記されている。有事には住民もこれらの空港、港を使うことになる。国際法では軍と民は分離しないといけないのに、実際は軍民混在という、逆行する政策を立てている」

「有事の時、先島諸島だけでも12万人の住民を避難させないといけない、、、、、

2024年08月04日号 02面掲載記事)