第四回ローザンヌ世界宣教会議(9月、韓国仁川、オンライン)に向けて、毎週配信中の「ローザンヌ運動ポッドキャスト」(URLlausanne.org/podcast-series/lausanne-movement)から主要な論点を紹介する。第21~23回(2~3月配信)は寄付、資金調達にかかわる内容。

前回

協力宣教のモデル提供 地域に根付き、革新する 第四回ローザンヌ世界宣教会議への旅⑦

 

与える、受けるをこえて

第21回配信はクリスチャン資金調達コンサルティング会社創設者のレディナ・コラネシさん。聖書全体を振り返り、「神は私たちのアイデンティティーを執事、被造物の管理者として描写している」と解説。寄付については「神の寛大な心を反映する。単に提供するためではなく、イエスのようになりたいから寄付する。寄付を求めることで、人々に成長の機会を与える」と励ました。「神は私たちに、人々を宣教に招き、支援者の声に耳を傾けるよう呼びかけている。自分たちだけで使命とビジョンを作成するのではなく、会話をオープンにしてほしい。寄付者に感謝し、定期的に報告してほしい」と勧めた。

第22回配信は、非営利団体の募金活動にアドバイスをしてきた「Give Way Visioneering」の創設者バーバラ・シャンツさん。お金を持っている外国人がミニストリーの方向を決めてしまう問題、非営利団体の詐欺の疑い、などの問題を踏まえ、Give Way Visioneeringを創設した経緯を説明。資金調達のために「熱意は知識と同じではない。何をする必要があるかについて知識を深めてほしい」と持続可能な宣教の在り方を論じた。

「他の人も理解できるものごとのために資金を集めているのかどうかを、確認してほしい。世界を変えたいと願う寄付者を見つけよう。神に祈れば、このミニストリーをするよう召された人を見つけることができるでしょう」

「すべての寄付者は、その寄付したお金よりも大事。私たちは必要なお金に集中しすぎるため、これは非常に難しい教訓だ。寄付者と話しているときは、彼らの意見に耳を傾けて」と勧めた。

第23回配信はIFES(国際福音主義学生連盟) の地域支援開発プログラム(ISD)を担当するケヒンデ・オジョさん。ISDは、IFESにかかわる地域・国ごとの資金調達活動を持続可能にする世界的プログラムだ。「地域の文脈に合わせるのが最善。キリスト教が盛んな地域では、資金調達のために正規の組織は不要。その一方、唯一可能な募金活動が祈りだという地域もあれば、定期的募金が可能な自由な国もある」と話す。

「かつては各国・地域の活動の多くは国際事務局の助成金に依存していた。お金がなくなると奉仕が止まった。これでは持続可能ではない」とISD設立の背景も語った。

リーダーに訓練の機会を提供している。「かつての資金調達はニーズを訴えるだけで十分だったが、ビジョン主導に変えた」と言う。

「依存関係モデルは非常に不健全で持続可能ではない」と指摘。「しかし依存の反対は独立ではない。独立は神の栄光を脅かすからだ。『神によって、神のために私たちに与えられた』ということが、健全な依存関係モデル。『資金を与える者が受ける者よりも優れている』というのも不健全だ。資金を与える者も、受ける者もお互いに与える者であり、私たちはただ違う役割を演じているだけ」と話した。

ポッドキャストの司会者も応答し、「フルタイムで宣教に従事している人が優越感をもつということも不健全な関係となる。共に協力し、神の国と神の栄光だけを目的としたい」と述べた。【高橋良知】

2024年08月18・25日号 07面掲載記事)