9月に開催された第四回ローザンヌ世界宣教会議(3面参照)を終え、2050年を見すえた〝旅〟としての「共同アクション」が期待される。日本関係参加者に注目点や今後への思いを聞く。

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バックホルツ美穂さん(日本聖契キリスト教団・東京ライフチャーチ共同主任牧師)は、日本出身だが、夫で米国人のグラントさんと共に、米国の教団から派遣されている。「かつては宣教師が宣教国のキリスト者の上に立って指揮を取っていた時代があり、次に宣教国の指導者が宣教師を除外して独立する時代があった。現在は互いを必要とする時代だと改めて確認した。『誰かを必要ではない』とすることは、キリストの御体を傷つける。ディアスポラ化が加速する中で、宣教師とホスト国指導者、教職と信徒、自国信徒と外国人信徒が、互いを必要としつつ協働することが鍵だと感じました」

会議参加者は、25の「ギャップ」という現代的宣教課題を選択し、連日の共同セッションで、具体的行動まで構想した。美穂さんは、以前から、国境をこえ移動する人々の宣教に注目する「グローバル・ディアスポラ・ネットワーク」の一員とて、ローザンヌ運動の動きを見ていた。「今回の会議は、受け身で聞くだけではなかった。共同セッション『移動する人々』で、同じテーブルには、リーダー層が多かったが、信徒みなが理解し協力できるように、バイブルスタディー教材を制作するアイデアも出された」と話す。「日本にも様々なルーツの人がおり、『日本人』の定義も変わってくる。主の宣教を、人の差別や偏見で止めてはいけない。今後も多様なディアスポラの働きを進めていきたい」と語った。

新たに「職場」領域に関心をもった。「会議参加者の3分の1が、ビジネス関係の人たちだった。『職場』のワークショップも連日開かれ多くの人が参加していた。日曜日だけの奉仕ではなく、世で信徒が輝く励ましがしたい」と述べた。

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小山健さん(単立・岐阜純福音教会主任牧師)は、昨年米国で開催された「ローザンヌ世代間対話」集会に参加し、多世代のリーダーたちと親しくなった。「今大会の登壇者・奉仕者の多くと昨年出会っていたので、再会を喜んだ」と言う。

「今大会では『多中心性』の中での『協働』が一つのキーワードだった。国や地域、ミニストリーなど、いくつもの宣教の中心が世界にある。その中心が重なりあって共に働く必要がある、、、、、

2024年10月20日号 07面掲載記事)