新潟北陸伝道の未来を考える 第23回シンポ「地方伝道を考える─自立と連帯─」
シンポジウム「地方伝道を考える─自立と連帯─」(シンポ「伝道を考える」実行委員会主催)の第23回が11月17、18日、新潟県柏崎市の新潟聖書学院で開催された。テーマは「新潟北陸伝道の未来を考える」。【中田 朗】
同シンポは、前代表の山口勝政氏(JECA・八郷キリスト教会牧師)と斎藤篤美氏(元日本同盟基督教団理事長、故人)の呼びかけにより2000年から始まった。年1回の開催で、途中、新型コロナパンデミックにより休止した年もあったが、今日まで継続してきた。今回から代表を交代し、山口翼(中央日本聖書学院学院長)、赤松望(伝道福音・五泉福音キリスト教会牧師)両氏を共同代表に新たに出発した。
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2日目は、新潟県で牧会する神山良信(伝道福音・加茂福音キリスト教会牧師)、早津栄(伝道福音・新井聖書教会協力牧師)、日吉真実(聖契教団・長岡聖契キリスト教会牧師)、赤松の各氏が発題。新潟北陸伝道の取り組みや困難さなど、様々な体験を分かち合った。
神山「信仰よりは祝福を継承すべき」
神山氏は「次世代育成について」をテーマに発題。神山氏は05年4月に加茂福音キリスト教会に赴任。19年経った現在、礼拝出席者数は50、60人で、子どもは15人(0~15歳)。だが、赴任当初は「子どもの数はゼロだった」。「当時、いちばん下が中3の女の子で、その上に高1、高2の女の子。私は赤松先生と共に、この3人を、母校の東京基督教大学(TCU)のオープンキャンパスに連れていった。次世代の子たちに外を見せてあげるため一緒に出ていくことが大切だと思ったから。うち2人はTCUに進学した」
神山氏にも子どもが5人いるが、「現在、自分の子どもたちの同世代を中心に子どもたちがいる。三十数年前、教会には子どもたちがあふれていた。だが中学生に上がる頃に皆、離れてしまった。洗礼を受ける機会を逃してしまった。これは繰り返してはいけないと思い、今、できることをしている」と語る。
16年から協力牧師が赴任。教会学校、毎月1回のゴスペルキッズクラブなど子ども伝道を担当していると話す。「その協力牧師ほか、次世代の子どもに関わる教会のメンバーと、水曜日の祈祷会の後、教会の子どもたちの近況、課題を分かち合っている」
神山氏は「信仰継承とよく言われるが、信仰は大前提で、継承すべきは祝福ではないか」と語る。「これまで教会がしてきたのは、礼拝に出なさい、祈りなさい、聖書を読みなさい、というアプローチ。だが、そういうアプローチでは、受け手は礼拝をする喜びがなくなっていき、かえって離れてしまう。居場所を求めている次世代にとって必要なアプローチは、受け入れられているという安心感と教会が彼らにとって居心地の良い場所となるということ、、、、
(2024年12月08日号 04・05面掲載記事)