山田映画作品の音楽監督を務めた朱花さんや障がい者のキャストらが歌を贈った

1月に逝去した映画監督、山田火砂子さん(株式会社現代ぷろだくしょん代表取締役社長)のお別れ会が、映画作品の撮影地でもあった東京・新宿区のウェスレアン・淀橋教会で3月25日、開かれた。

山田監督作品の数々の音楽や、最後の映画作品「わたしのかあさん ―天使の詩―」(出演、寺島しのぶ、常盤貴子)の主題歌を担当した歌手の朱花さんは、臨終まで病室で過ごした思い出を語り、アメイジンググレイスを独唱。続いて映画にも出演した障がい者専門の芸能事務所アブニールのキャストらと、「わたしのかあさん」の主題歌を歌った。

故人の思い出を、俳優の寺島しのぶさん(ビデオメッセージ)、渡辺いっけいさん、小倉蒼蛙(そうあ、旧称・一郎)さん、松木路子さんらが語り、常盤貴子さんや三浦綾子文学記念館などからも弔電が寄せられた。

同教会主管牧師の峯野龍弘さんはピリピ3章13、14節から「ひたすら、一筋に」と題して説教。「山田監督は、障害のあるお嬢さんを通して、弱い存在こそ、生きる力を生み出すのだという指針を受け取っていた。聖書の真の愛、アガペの愛に出会って、作品を通して愛のメッセージを世に送る使命を果たした。真の愛は、自らに敵対したり、不利益をもたらす相手に対しても、自己犠牲を甘受して、相手の祝福のために捧げて仕えていく。弱さこそ力であり、弱い存在を排除しないことこそ、愛と平和に満ちた共生社会を作る。私たちもこの究極の愛の目標に歩もう」と勧めた。

山田さんの娘でプロデューサーの上野有さんは、「『死のうと思っていたけれど、この映画を見て、また生きようと思った』というお客さんの声を何度も聞いた。『たかが映画』ではないのだと思わされた」と映画への思いを語った。次作の脚本が完成していたと明かし、今後も映画製作を続ける意志も示した。

「わたしのかあさん」上映情報や過去作のDVDや山田さんの著作については、現代ぷろだくしょんホームページから。

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