左から木村葉子さん、根津公子さん、佐藤美和子さん、

「公務員の処分量定に不公平がないか」。黒川弘務前検事長を巡る「賭け麻雀(マージャン)」についての処分が「訓告」に終わったことについて、公務員側から疑問の声が上がっている。
公立学校教育現場では、日の丸掲揚、国歌斉唱について、良心の自由などの観点で拒否した大阪府、東京都の教員らのべ600人が戒告、減給、停職などの懲戒処分を受けてきた。戦時中を踏まえた信仰の自由の観点から「日の丸・君が代」を拒否したキリスト者教員らもいる。

これらの教員、元教員らが、「公務員の処分量定に関する公開質問状」を、安倍首相、東京都都知事、大阪府知事らに宛てて提出した。6月30日には東京で呼びかけ人らが記者会見を開いた。

質問状では、黒川元検事長の賭博行為が国家公務員法第99条(あるいは地方公務員法33条)の「信用失墜」に当たるのではないかと問う。一方教育公務員らの「日の丸・君が代」拒否が、「信用失墜」行為をもとに戒告や減給・停職などの懲戒処分を受けたことと比較して、不公平ではないかと質問している。

牧師だった祖父、父の戦前の経験を踏まえ、「天皇をたたえた『君が代』は弾けない」と式典での伴奏拒否をしてきた元小学校音楽科教員の佐藤美和子さんは、そのために「訓告」を経験。より重い懲戒処分を受けた教員らにも触れて、「誰の目にも軽すぎる前検事長の刑法にも抵触する行為の『訓告』と同列同罪にすることに黙っていられなかった」と述べた。

質問状への回答は2週間を求めている。

公務員処分量定 公開質問状6.30

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