今年のアドベントは、例年と異なった様相となりそうだ。クリスマスの諸集会、キャロリングなど外部と接触する取り組みに至るまで縮小が余儀なくされている。こんな中、聖書全体から、慰めとキリスト者の使命を思い起させる緊急出版が登場した。『神とパンデミック コロナウィルスとその影響についての考察』(N・T・ライト著、鎌野直人訳、あめんどう、千100 円、四六判)だ。世界に影響を与えている新約学者氏が「タイム」誌掲載の記事を掘り下げた。
コロナ禍への人々の反応には、ストア派のような決定論、エピクロス派的な無常観、プラトン主義のように来世にだけ希望を託す二元論があると指摘。その中で聖書全体から導き出されるキリスト者の使命は、「なぜ」を問うだけではなく、「何をすべき」を考え行動することとなる。そこには「神の王国」と宣教の視点で聖書全体を読む姿勢がある。本書では、旧約の詩篇やヨブ記から祈りと神の教え、福音書から摂理と贖罪、さらに初代教会やキリスト教史を振り返る。聖書を憶測や魅力的な解釈で読むのではなく、注意深くイエスを見つめつつ、全体を読むことを勧める。

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