フクシマから見る未来の教会 JEA宣教フォーラム福島開催へ
未曽有の地震、津波、原発事故をもたらした10年前の東日本大震災から教会は何を学べるか。「フクシマ」を直視し、日本、地域社会の宣教の在り方を考える。
日本福音同盟(JEA)宣教フォーラム福島2021(宣教フォーラム福島実行委員会・JEA宣教員会共催)が「これまでのフクシマと、これから」をテーマに11月23、24日に福島県からオンライン配信で開催される。登録者は主要な集会の配信動画を後から視聴できる。申し込み締め切りは11月16日まで( https://jeanet.org/)。費用は3千円。
JEA宣教委員会は7年に一度の日本伝道会議をつなぐ宣教フォーラムを毎年実施している。
同フォーラム実行委員長の高橋拓男氏(ミッション東北会津聖書教会牧師)は「集会Ⅰでは、震災後福島にかかわり続けてくださったジャーナリストの方々をお招きし、今のリアルな福島の現状を共有し、集会Ⅱでは5人の牧師による基調講演、対談を通してこれからの福島そして日本の宣教を考察し、集会Ⅲでは現状と考察から生まれた5つの祈りを、これからの世代のために形として残していきたい」と抱負を述べた。
ほかにも参加者どうしのディスカッション、日本伝道会議各プロジェクトによる分科会がある。
1日目集会1では「これまでのフクシマ」として、元朝日新聞の記者で連載「プロメテウスの罠」にも関わったジャーナリストの本田雅和氏、震災直後から福島県沿岸部の被災者と関わり続けている作家の渡辺一枝氏、在日の人権問題に向き合ってきたピアニストの崔善愛氏(「週刊金曜日」編集委員)が発題する。
集会Ⅱでは、基調講演「被災地の宣教・コロナ禍での宣教」を、吉持日輪生氏(茨木聖書教会牧師)が語る。これに対して木田恵嗣氏(ミッション東北郡山キリスト福音教会牧師)、西小野健氏(保守バプ・郡山聖書バプテスト教会牧師)、野寺恵美氏(同盟基督・赤羽聖書教会牧師)、西岡義行氏(ホーリネス・川越のぞみ教会牧師)が応答し、対談する。
集会Ⅲでは、集会Ⅱの講演者、応答者たちが、祈りの言葉をまとめ、その背景を語り、全体で共に祈る。
分科会のテーマは以下の通り。
①聖書信仰の成熟を求めて「新型コロナウイルス時代を生きる教会パート2」、
②日本社会と教会「異質者として排除される非正規滞在外国人の苦悩と宣教・共生の課 題」、
③教会と国家教会と国家「フクシマから考える―「利他」という生き方を目指して―」、
④ファミリー・ミニストリー「喪失の中を生きる家族~私たちが経験している曖昧な喪 失~」、
⑤ディアスポラ宣教協力、
⑥ビジネス宣教協力の次世代構想「宣教協力の未来開拓」、
⑦教会開拓・教会増殖「コロナ禍で見えた、宣教の追い風と向い風。今後のビジョン」、
⑧痛みを担い合う教会「原発事故後の10年を振り返って」、
⑨青年宣教「事例報告と分かち合い」、
⑩子ども「子ども伝道についての交流会」
このほかに、交流を目的とした多様なテーマのフリーミーティング、JEA女性員会主催の「『かたりば』特別編 しゃべっぺ!きくべ!福島のこと」などが開かれる。
11月8日に開かれた集会Ⅱ、Ⅲの準備会では、吉持氏がイエスの公生涯前の30年に注目した「受肉したイエスの時間配分」について提示し、応答者が意見交換した。
長年福島県の牧会や宣教協力に従事してきた木田氏は地方伝道における福音の提示の仕方や支援と切り離せない宣教の在り方について、震災後4年間被災地支援団体に従事した西小野氏は、牧会者として専従する現在だからこそ再認識する支援活動の意義や教会の在り方について、福島県出身者の野寺氏は、地方伝道や抑圧された女性の立場について、西岡氏は支援活動と「十字架のみ」の伝道主義的アプローチとの対話について、それぞれ言及し、宣教フォーラム当日に期待を寄せた。
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