心と身体と魂に目を向けたい。

『神さま、なんで?病院の子どもたちと過ごす日々』(久保のどか著、いのちのことば社、千320円税込、B6判)の著者は、症状の悪化、治療のストレスで「祈っても変わらない」という魂の叫びに寄り添う。同僚の医療従事者もケアし、「できること」から「存在すること」への価値に気づく。

「癒やし」の先にある人間の生き方を『インサイドアウト 魂の変革を求めて』(ラリー・クラブ著、川島祥子訳、いのちのことば社、2千750円税込、四六判)は強調する。心の奥底の渇望に気づき、自己防衛を放棄し、神を求める豊かさは他者にも開かれる。

 

霊的形成の視点で聖書を読む姿勢を『神のことばによって形造られる 霊的形成における「みことば」の力』(M・ロバート・マルホーランド Jr.著、中村佐知訳、地引網出版、千760円税込、四六判)は教える。それは「情報」(インフォメーション)ではなく「形成」(フォーメーション)のための聖書読解だ。情報中心、機能性中心を求める近代の人間文化の弊害を指摘する。

理性中心の近代は、啓蒙主義にルーツがある。その代表であるカントを同時代に批判したハーマンに注目したのが『ハーマンにおける言葉と身体 聖書・自然・歴史』(川中子義勝著、教文館、5千280円税込、A5判)だ。信仰者としての、その生涯、思想の全貌を語る。その聖書観は、自己の回心に基づき、「自己をも含む世界のすべての現実へと拡大」する。被造物の「うめき」と回復を志向する救済史的視点で、「自然・世界」に「共感」する。

 

いのちの問題を、環境、生命倫理、死生学、災害、哲学、教育などの視点で『いのちと霊性 キリスト教講演集』(仙台白百合女子大学カトリック研究所編、教友社、2千750円税込、A5判)は提示する。東日本大震災・原発事故を踏まえた、カトリックの「いのちへのまなざし」改訂版を基調に、牧師、プロテスタントを含む研究者らが論じる。「他者」への出会い、愛、応答が共通主題となる。

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