D6ファミリーカンファレンス2023② 「教会と家庭が『もう一度つながろう』」
家庭は宣教の中心を担う
日常生活で福音を伝える
5月19、20日に開催された「D6全世代信仰育成ファミリーカンファレンス」(アジア福音同盟・D6ジャパン共催、6月11日号で一部既報)から、各セッションでの講演内容を抄録する。今回は、テリー・ウィリアムズ氏(聖書同盟インターナショナル)が教会と家庭のつながりについて語る。(レポート・D6ジャパン事務局)
「家庭」というとき、多くの場合、独身者や祖父母だけの世帯は含んでいない。家庭は創造の初めから神のご計画の中にあったが、エデンの園で起こったことによって、神の計画されたものとは違ったものになってしまった。神が、国々をご自身のものとされた時、その核にあったのは家族という単位であり、家族は氏族の構成要素であり、それが部族を構成し、またイスラエルという国を構成した。しかし多くの家庭は神のご計画に沿った歩みができなかった。それは今日も同じである。
ヘブル語で「家庭」と訳すことのできる言葉は多くあるが、一番用いられるのは「バイート」で、共同体や家の中で共に生きる人々を指し、聖書では千回近く用いられている。家庭にはいろいろな形があるが、共通しているのは生活を共にしているということ。そして、その多くの家庭に子どもたちがいる。子どもたちはそこで、イエスさまが語られたような意味で、豊かな人生を見出そうとしている。人類の歴史は家族の歴史であり、健全な家庭は健全な社会の柱である。いかにしてそれを回復するか。
イエスが「大宣教命令」(マタイ28・19)で語られた「弟子にしなさい」という命令に焦点を当てたい。それは個人だけでなく、家庭にも語られている。家庭の中で弟子を作るということである。神の宣教において中心的な働きを担っているのは家庭であり、家庭生活を宣教と切り離すことはできない。その家庭の役割を見直すということは、それが自分にとってどういう意味かを問うことであり、自分の内を見てバランスを取りながら外に向かうのが、宣教の形と言える。すべての家庭は内側に向かって弟子作りのセンターであり、外側に向かって宣教センターなのだ。
その時指針となるのが、神がイスラエルの家族たちに与えた申命記6章7節「これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家で座っているときも道を歩くときも、寝るときも起きるときも、これを彼らに語りなさい」である。この言葉で多くの親は罪責感や失望感を覚えるだろうが、まずなすべきことは、家族が再びつながり、「家庭」が意味するものを取り戻すことである。
家庭であるために必要な鍵は四つ。①優先順位。子どものために時間をとり、家庭を優先し、家族がどんなに大事であるかを伝える。②リズム。日、週、月、年という生活のリズム、人生の節目を考え、子どもと交わる。③家族とのつながり。夫婦、親子、兄弟の関係を大事にする。愛し合い、対話することを学び、実践する。④サポート。子育てはひとりでするのではなく、親戚、教会、専門家が助けてくれるはず。
この四つの鍵に取り組むとき、すでに弟子作りは始まっている。家庭こそが日常生活の中で福音を伝えることができ、それこそ家庭の力であり、そこに宣教の可能性がある。宣教は、必要を見ることから始まり、時間をとって語り、耳を傾け、祈ることである。ともに宣教を始めていきたい。(つづく)
(2023年07月30日号 07面掲載記事)
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