『世界平和統一家庭連合・旧統一協会は何を教えているのか ―統一原理による支配―』
いのちのことば社
パスカル・ズィヴィー著
A5判106頁、990円税込

『世界平和統一家庭連合・旧統一協会は何を教えているのか』(いのちのことば社)が焦点を当てたのは統一協会の教理「統一原理による支配」(副題)だ。ジャーナリストや弁護士、元2世信者らによる多くの書籍や取材記事によって、統一協会と政治の癒着や信者家庭の悲惨な実情があぶり出された。それではなぜ、信者たちは偽装勧誘や高額な献金集めの実態が明らかになっても統一協会を擁護し続けるのか? 本書は統一協会が何を教えているのかからその謎を解く。

被害者救済に取り組んできた郷路征記弁護士は本書の推薦のことばで、借金させてまでの根こそぎ献金、二世問題、政治家との癒着がなぜ発生しているのか、などの疑問に対し次のように指摘する。「それらのことは、統一協会が統一原理をこの世に実現して地上天国を創(つく)るために信者におこなわせていることの結果なのである。だから、統一原理が変わらないかぎり…繰り返され得る」

著者のパスカル・ズィヴィーさん(マインド・コントロール研究所長)の本書執筆の動機は、原理信者たちが何を教えられて統一原理に支配されるようになったのかを明らかにすることだった。

本書では、創造原理、堕落論、復帰原理といった統一原理の根本教義、統一協会の神観、人間の5%の責任分担、蕩減(とうげん)条件、氏族のメシア、万物復帰などのキーワードを概説。合同結婚や霊感商法など活動の背後にある原理の信仰のメカニズムを浮き彫りにする。

原理信者は何を信じてその行動に至るのかを、元信者らの証言で裏付けた。例を挙げると、統一協会の神観が「悲しみの神」であることがどう影響するかについて脱会者らはこう証言する。

証言2「私は、娘を大学に行かせるために夫と一緒に貯めていたお金を、すべて統一協会に献金しました。…娘は大学に行くことができなくなって、大泣きしました。…本然なる神様はこれ以上に悲しんでいると教えられていたので、神様を喜ばせるためには、どんなに夫が怒ったとしても、そして娘がどんなに悲しんだとしても、私の行動は正しいと信じていました」

証言4「両親は統一協会に反対していました。…よく喧嘩をしました。…父は、私が心を開かないので泣きました。…私は…原理のことを父と母が理解しないため、神様は苦しんでいると信じ、それが悲しくて神様のために泣いたのです」

 

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