『小坂忠アーカイヴ・ブック 今も 夢の続き』

小坂忠・高叡華 共著
シンコーミュージック・エンタテイメント、A5判、2,500円税込

2022年に召天した小坂忠氏。ロック、ソウルのシンガーから一転、受洗と献身を経て牧師、ゴスペル・ワーシップリーダーに。一旦は一般の音楽業界から姿を消すも、2000年に異例の復帰。その後、がんを患ってもステージに立った――

その軌跡をたどる書籍『小坂忠アーカイヴ・ブック 今も 夢の続き』が刊行された。絶版となっている自伝『まだ 夢の続き』(2003年)を、細野晴臣との対談も含め全文を再録。ほかに、松任谷正隆、ピーター・バラカン、松本隆による寄稿、妻で牧師の高叡華氏による回顧録などを収録し、音楽史の証人と言える写真も豊富だ。自身のYouTubeチャンネルChu’s Cafe [Episode]で、「勝利者」「小羊イエスよ」などの楽曲を本人が解説した「セルフ・ライナーノーツ・トーク」や、ミクタムレコードの機関誌「タンブリン」に連載したバイブルエッセイ「グッド・バイブレーション」の抄録が、こうして一般音楽ファンの目に留まる形で出版されたことは特筆に値する。

出版の経緯や、「小坂忠メモリアルプロジェクト」についてなど、高氏に話を聞いた。【間島献一】

§ § §

「(業界復帰について)業界の人たちは驚きました。業界の人が大勢(復帰ライブを)見に来たんですよ。音楽プロダクションの編集者が『25年間も業界を離れていたのはどういうわけか』とすごく興味を持って」。
それが最初の自伝出版につながった。

「一度(一般音楽業界を)離れて復活したミュージシャンは多くないと思うんです。〝復活の人生〟です。私たちにしかできない、神様が与えてくれた人生だと思うんです」
一般音楽業界と、キリスト教界と、「二倍の人生を歌った」と総括するふたりの証しは絶えない。

一般の音楽系出版社から刊行したことについて、伝道的な狙いもあるという。
「クリスチャンになるきっかけって、いろいろあるじゃないですか。好きな作家とか俳優とか。そういう人の生きてきたことを通して影響を受けるってことは多分絶対あるので。音楽好きな人が、この本を通して小坂がやってきたことに感銘して、イエス様に出会ってほしい」「タンブリンの記事やChu’s Cafeの記事だとか、みことばに裏付いているところがあるので。これってどういう意味だろう、とか、そういうふうにして」

同時に、「期待しますけど、人は種をまくことはできても、育てるのは神様だから」とも語った。

高氏は次の著作も構想中だ。「賛美と礼拝について私たちが学んできたこと、受けてきたことをまとめた冊子にしようと。それが集大成。伝道に使ってほしい。今までは音楽、講演、説教で表してきた。今後は、こうやって文章に残すことが必要だと思う」

(10面に関連記事)

2023年12月24・31日号 03面掲載記事)

□―――――――――――――――――――――――――□
【お知らせ】★週刊「クリスチャン新聞」がリニューアルしました!!★

☆新たな装い 今求められる情報を伝道牧会の最前線へ
☆紙面レイアウトを刷新 文字が大きく読みやすく
☆独自取材による特集企画で教会が今直面している重要テーマを深く掘り下げる特集企画
☆教会の現場の必要に応じた新連載が続々スタート

□―――――――――――――――――――――――――□

★「クリスチャン新聞WEB版 https://クリスチャン新聞.com/csdb/」(有料)では、
1967年創刊号からの週刊「クリスチャン新聞」を閲覧、全文検索(1998年以降)できます。