第七回日本伝道会議(JCE7)は継続的な取り組みをするプロジェクトを進めている。各担当者らに展望を聞く。【高橋良知】

 

世代循環が将来のカギ

次世代育成検討チーム 中西健彦さん

プロジェクト名は「次世代育成検討プロジェクト〜現状の調査分析と世代循環実現に向けた提言〜」。メンバーの中西健彦さん(JECA・北栄キリスト教会牧師、日本福音同盟[JEA]宣教委員)は「『次世代』は、子どもや青年だけではない。子どもから高齢者まで、すべての世代の育成にかかわる『世代循環』を機能させる教会教育を提案したい。教会学校に子どもがゼロ、という教会も少なくない。そんな厳しい現状に風穴を開けたい思いもある。まずは、研究を進めるための方法論を検討している。他にも各世代を対象にした超教派宣教団体の知見を集め、教会の現場に共有できれば」と話す。

「昔の子ども伝道の方法が今の時代、成り立つとは限らない。子どもたちが置かれる状況が多様になっている。教会では全世代の養育が必要。ある世代の人もやがては次の世代に成長する。世代間で相互作用も起こる。全世代のサイクルの視点で見ると、部活、大学進学、就職、結婚などを機に、教会から離れやすいボトルネックがある。このような部分にも注目したい」と述べた。

「教会全体の教育、ケアは、それぞれの教会で工夫されていると思うが、それらをブラッシュアップする機会になれば。世代循環を機能させる取り組みは、これまであまり取り組まれてこなかったかもしれないが、今後の次世代育成のカギとなるのではないか」と勧めた。

JCE7への期待としてこう述べた。「これまで行い、論じられてきたことも、時代とともに変化し、ニーズも変わる。テーマに〝『おわり』から『はじめる』〟とある通り、従来の取り組みを見直し、更新するきっかけになると思います」

 

過渡期こそ本質を確認

教会とITの在り方を考える会 中村恵久さん

プロジェクト名は「ITを活用した日本宣教のこれから」。代表の中村恵久さん(CALM代表)は「この分野は過渡期。皆それぞれの倫理で対応している。新しい技術を、一方的にダメといっては、機会の損失となるし、制限なく使用させても、リテラシーが育っていなければ問題が起こる。私たちはどのように使うのが有効か提案したい。ITはあくまでもツール。ITがあれば、人が集まるということではない。すばらしいのは福音そのもの。小手先ではなく、本質を再確認したい」と勧める。

ITの利点として「身体的に困難がある人の社会参加を広げた。プロでない人も様々な技術を使えるようになった。今まで出会えなかった人とつながった」と話す。コロナ禍では、クリスチャンITコミュニティーCALMとして、動画配信の方法を紹介した。「福音派、主流派、聖霊派にかかわらず、様々な人に活用された。今度も技術的な部分で貢献したい」と語った。

太平洋放送協会のテレビ番組「ライフライン」の制作もしている。「新しいメディアとオールドメディアの両方を知っている目線で、JCE7でも丁寧にお伝えしたい」と言う。

JCE7への期待をこう述べた。「福音を中心にしつつ、外に出て伝道する視点があると思う。この時代に神様が明らかにされる伝道の方法をいっしょに考えたい。福音がいかにすばらしいかを再確認し、世に出る励ましになればと思う。若い世代が登壇者となり発信する機会があるのもありがたい。先輩のバトンを受け、次につなげたいと思います」

(つづく)

2023年07月16日号 07面掲載記事)

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