第七回日本伝道会議(JCE7)は継続的な取り組みをするプロジェクトを進めている。各担当者らに展望を聞く。【高橋良知】

 

「目的」に立ち返って

日本社会と宣教を考える会 西岡義行さん

プロジェクト名は「日本社会と宣教~分断化する社会に御国をもたらす共同体形成の模索~/日本社会と宣教を考える会」。前回の第6回日本伝道会議で「開かれた教会」をテーマにしたプロジェクトを継承する。

代表の西岡さんは「社会は罪ゆえに対立・分断がある。福音こそが、年齢、国籍、障がいなどをこえて一緒に生きることを可能にする希望となる。在留外国人や難民問題では、法制度や審査体制自体に日本の閉鎖性が見え隠れする。高齢や死の問題には、罪の救い、永遠の希望が必要だ。ノウハウの提供や組織化ではなく、課題を共有する仲間となっていきたい」と語った。具体的な事例を集め、フォーラムを開催、ネットワークを構築して、その成果を文書で報告、発信する予定だ。

「教会自体が、ある意味、社会と分断されていないか。教会が成長・維持ばかりを課題にすれば、クリスチャンではない人にとって、魅力的な存在とは言えなくなってしまう。教会の本来の目的に立ち返りたい。弱い者たちが、神の恵みによって救われたのだということを、存在で証ししたい。教会が本気で、本来のミッションに立ち返れば、そこに神様は人を送ってくれるはずだ」と話す。

JCE7のテーマに注目する。「『おわり』はギリシア語の『テロス』であり、『目的』という意味がある。教会が本来の目的に立ち返ればやるべきことが明確にされる。み言葉に立ち返って、神の民にゆだねられた使命に立ち返る時、向かうべきことと、終えてよいこととが見えてくるのでは」と勧めた。

 

地域教会が中心になる

ディアスポラ宣教協力(推進) 鎌田泰行さん

プロジェクト名は「ディアスポラ宣教協力(推進)プロジェクト」。「ディアスポラ宣教」は、第5回日本伝道会議以来プロジェクトの一つに位置づけられてきた。当初は在外邦人宣教と帰国者に焦点を置いていたが、第6回日本伝道会議以降、在日外国語宣教との両軸で進めている。

代表の鎌田さんは「黙示録7章9節に描かれているビジョンを成就するために、神様ご自身が、主権をもって人々を世界中で移動させておられることに、私たちが注目するのが出発点」だという。

ディアスポラ宣教には様々な切り口があるという。「在日外国語宣教においては、礼拝場所など教会形成の課題もあれば、二世、三世の教育、貧困、在留許可など社会的な課題もある。在外日本語宣教においては、無牧の課題や、帰国者フォローといった課題がある」と挙げた。

その上で、「神様の計画においては、やはり地域教会が宣教の中心。特に、日本国内にある日本人中心の教会が、ディアスポラ宣教に関わってゆくことの助けになりたい。そのために、様々な切り口を整理し、志やアイデアを持っている人たちををつないでいきたい」と語った。

JCE7本大会の中でも、「ディアスポラ宣教」にかかわる集会が開かれる。分科会のほか、グローバルナイト、グローバル・ジャパニーズ・クリスチャン・フォーラムなどが開かれる。大会後も同プロジェクトでは年二回ほどの集会を企画している。

JCE7全体についても、「日本の教会が元気になる機会になれば。共に御言葉を聞き、分かち合い、神様に力づけられて送り出されたい」と期待する。
(つづく)

2023年07月30日号 07面掲載記事)

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