「グローバル・ジャパニーズ・クリスチャン・フォーラム」
「今日の周辺から生じる多次元宣教運動」

 

2023年開催の第七回日本伝道会議(JCE7)の各集会を宣言文「『おわり』から『はじめる』私たちの祈り」(以下宣言文「祈り」)に沿って伝える。最終回は世界宣教について。

 

前回

「祈り」つなぐ~JCE7各集会から⑬ 「日本の教会に合わせて」か?「グローバル・ジャパニーズ・クリスチャン・フォーラム」

 

 5.文化を越えた宣教協力を「はじめる」

宣言文「祈り」の「5.文化を越えた…」では、「国外の日本語教会と国内の外国語・多言語教会、あらゆる働きに従事する宣教師たちとの連携と協力を進める」と宣言する。

「グローバル・ジャパニーズ・クリスチャン・フォーラム」(3月3日号参照)のメイン集会後半は送り出し側の証しとして、米国人日系二世の堀田正邦さんが話した。現在は米国長老教会派遣の宣教師として日本で奉仕する。出身のミシガン州は自動車産業に関係する日本人が多く、現地教会の英語クラスが日本人に広がり、信仰をもつ人も増えた。「海外で救われた人は日本の教会を想像できない。帰国前に日本の教会とつながれることが重要。日本の教会への期待とつまずきがある。奉仕を強いるのではなく、ありのままを愛し、理解し、受け入れることが大切」と話した。

最後に内村保さん(アッセンブリー・名古屋神召キリスト教会牧師)が「海外で救われる人は心を開きやすい。ところが帰国すると、日本の教会になじめない。帰国者のテーマにかかわるのは、日本の教会が変わる良いチャンスとなる。日本文化の課題はあるが、神の国の文化に注目したい。在日外国人のクリスチャンについても同じことが言える。他教派や諸団体と交わり、何が神の文化か、神様に聞こうという姿勢が大切」と総括した。

§   §

世界宣教のためにインフルエンサー(影響力のある人)とアイデアを、世界のクリスチャンたちがつなぐ、というビジョンに向かっている「ローザンヌ運動」。1974年の創立から50年となる今年9月には韓国で第4回世界宣教会議(ソウル-インチョン2024、テーマ:教会はともにキリストを伝え、示そう)が開催される。分科会「今日の周辺から生じる多次元宣教運動」では、ローザンヌ運動の歴史について高見澤栄子さん(日本ローザンヌ委員)が発表。また、2050年までを視野に入れた「ローザンヌ4」のジャーニーについても紹介した(本紙1月7・14日号特集参照)。

同分科会コーディネーターの倉沢正則さんは、「2050年へと世界宣教をともに加速させる」を提唱するローザンヌ運動の担い手である次世代を取り巻く環境として「ディアスポラ化」「サイバー化」を挙げた。これを受けて三人が、「斜め上をいく」新たな宣教方法の取り組みを紹介した。

「国際結婚」を切り口に、バックホルツ美穂さん(聖契教団・東京ライフチャーチ共同主任牧師)が、ディアスポラ化する社会において、身近にいる国際カップルを起点とした多文化宣教共同体の在り方について、阿見高洋さん(福音の群・プレイズコミュニティチャーチ牧師)が自身の国際結婚から感じる「違いの豊かさ」を語り、すべての民族に福音を伝えるために教会で今からできる外国人の居場所づくりを提言した。

篠原基章さん(東京基督教大学教授)は、「教会はサイバー化する時代にどう向き合うのか」について発言。高度なデジタル技術で再構築されていく時代を「現代のフロンティア」と捉えつつも、「テクノロジー(技術)」は神が与えた賜物であると同時に人間の罪と悪を増大させる拡大鏡となりうることに言及。デジタル技術は決して万能でもニュートラルでもないことを理解しつつ、その技術を賢く用いる使命を現代の教会は帯びていると語った。(終)

 

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