2月1日で、ミャンマー軍事クーデターから2年となるが、社会の混迷と人命の危機が続いている。

昨年12月初旬の国連調査では、国内避難民147万3千人(クーデタ―以後は114万3千人)。国軍による無差別砲撃や空爆にさらされる一方、武装化する市民の若者らもおり、武力衝突が起きている。

日本でも宗教者や市民グループが祈りや行動をしてきた。

1月28日には、第四回「日本からミャンマーに祈りを届ける集会」が、文京区の浄土宗・光源寺で開催された。

市民団体、ミャンマー人らが報告し、仏教、キリスト教、イスラム教の宗教者がそれぞれの言葉で祈った。

キリスト教からは、アトゥトゥミャンマー支援共同代表の渡邊さゆりさん(バプ同盟・駒込平和教会牧師)や高槻バプテスト教会のマキン・サンサン・アウン牧師、カトリック国際バクス・クリスティの代表らが経過を話し、祈りをささげた。

市民の賛同を集めている共同声明「クーデターから2年 日本政府は対ミャンマー政策の再構築を」では、日本政府が国軍の設置した国家統治評議会と経済関係を築いていることを問いただし、1.ODAなどの政府による経済協力の停止、2.(日本の官民に対して)国軍や国軍系企業の関与するビジネスの停止、3.国軍による長年の民族、宗教マイノリティーへの暴力行使への認識、4.ミャンマー市民や国民統一政府、少数民族などとの対話、などを求めた。

声明全文はこちらから

https://foejapan.org/issue/20230112/11158/

集会はミャンマー平和と祈りのネットワーク、#ミャンマー国軍の資金源を断てキャンペーンの共催。

最後に参加者で以下の祈りを祈った。

2023128日ミャンマー連帯の宗教者の祈り

(祈りの中で 「仏教徒の祈り」 「キリスト教徒の祈り」の部分がありますが、どなたでもどうぞご自由にお祈りください。)

一同)わたしたち宗教者は、 いま、宗教、 信心、信仰を超えて祈ります。
すべてのいのちが、守られますように。
すべてのいのちが、 軽んじられることがありませんように。

1)わたしたち宗教者は、いま、宗教、信心、信仰を超えて、ミャンマーに連帯して祈ります。
一同) ミャンマーのすべての人のいのちが、 守られますように。
ミャンマーのすべてのいのちが、 軽んじられることがありませんように。

2) ミャンマーの軍事クーデターから2年が経ちました。 闇はいよいよ深まっています。 空爆、 焼き討ち、 拘束、 逮捕、処刑などの虐殺と弾圧。
いまも、ミャンマーでは、多くの人が傷ついています。
一同) これらの暴力が、 今日、収まりますように。
そして、明日(あした)も、 あさっても、繰り返されることがありませんように。

3) いまなお、 ミャンマーでは、 多くの人が無実の罪でとらわれています。
クーデターを起こした人たちの意のままにとらわれています。
一同)今日、 とらわれている人たちが無条件で解放されますように。
そして、明日(あした)も、あさっても、再びとらわれることがありませんように。

4) いまなお、ミャンマーでは、多くの人が飢えて苦しんでいます。
十分な食料がないために、疲れ果てています。
一同)今日、人々に、十分な食料が与えられますように。
そして、明日(あした)も、あさっても、再び飢えることがありませんように。

5) いまなお、ミャンマーでは、医療にアクセスできない人たちがあふれています。
薬も栄養も十分にないところで、たくさんの人たちが病気やけがで苦しんでいます。
一同) 今日、人々に癒しが与えられますように。
そして、明日(あした)も、あさっても、 病いやけがに脅かされることがありませんように。

6) いまなお、ミャンマーでは、たくさんの人たちが不安におびえています。
特に子どもたちや女性たちやお年寄りたちが、 安心して生きられなくなっています。
一同) 力に脅かされやすい人たちが、 今夜、 安心して眠ることができますように。
そして、明日(あした)もあさっても、安心して生きることができますように。

7) いまなお、ミャンマーでは、 都市から離れたところにいる、 少数民族の人々が空爆に遭っています。 マイノリティの人々が苦しめられていることが、 世界にすら伝わりにくい状況になっています。
一同) ミャンマーのすべての人たちが、 忘れられてしまうことなく、今日、世界中で祈りにおぼえられますように。
そして、明日(あした) もあさっても、 その存在が大切にされますように。

8) いま、 ミャンマーでは、傷つけられながらも、尊厳を失わず立ち上がっている人たちがいます。
暴力に対して、 不服従を貫いている人たちがたくさんいます。
一同) 今日、ミャンマーのすべての人の尊厳が、 光りかがやきますように。
そして、明日(あした)もあさっても、その光りが、ミャンマー中を照らしますように。

9) 2年前にミャンマーで行われた選挙が、 クーデターを起こした人々によって踏みにじられました。今年軍事評議会によって選挙が予定されています。民主化を求める人たちは、 この選挙を不当としています。
一同)現状を固定化するための選挙が不当であるとし、日本政府が認めることがありませんように。

10) 日本政府の援助や企業活動がクーデターを起こした人々の暴力の資金となっています。
一同) 日本が軍事評議会への支援をやめますように。 日本政府の援助や企業活動がミャンマーの軍事評議会を支えることがありませんように。

11) ミャンマーで起きている暴力は2年前よりさらに拡大しているにもかかわらず、 国際社会の関心から置き去りにされています。
一同) 日本を含めた国際社会がミャンマーの苦しみを忘れませんように。ミャンマーの民衆をはじめ、すべての人が決してあきらめることがありませんように。

仏教徒の祈り 『ブッダの言葉 (スッタニパータ) 中村元訳、岩波文庫より

いかなる生物生類であっても、怯えているものでも強剛なものでも、ことごとく、長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、粗大なものでも、目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。

キリスト教徒の祈り マタイによる福音書5章より

柔和な人々は幸いである、 その人たちは地を受け継ぐ。
義に飢え渇く人々は幸いである、 その人たちは満たされる。
憐れみ深い人々は幸いである、 その人たちは憐れみを受ける。
心の清い人々は幸いである、 その人たちは神を見る。
平和を実現する人々は幸いである、 その人たちは神の子と呼ばれる。

12) いま、 ミャンマーでは、 苦しいなかでも、希望を見失わず闘っている人たちがいます。
平和を信じて、 生きている人たちがいます。
一同) 今日、ミャンマーのすべての人の尊厳が、 光りかがやきますように。
そして、明日(あした)もあさっても、その光りが、ミャンマー中を照らしますように。

13)わたしたちも平和を信じ、希望を信じます。
一同)ミャンマーと連帯し、今日も、明日(あした) も、 あさっても、連帯し、祈り続けます。
ミャンマーのすべての人に、 平和と希望が、 今、 実現しますように。

 

関連記事

ミャンマー軍事クーデター2年 緊迫状況今も

「ミャンマー 祈りと連帯の集い」非暴力で結集 諸宗教で

――――――――――――――――――――――――□

【お知らせ】★週刊「クリスチャン新聞」がリニューアルしました!!★

☆新たな装い 今求められる情報を伝道牧会の最前線へ
☆紙面レイアウトを刷新 文字が大きく読みやすく
☆独自取材による特集企画で教会が今直面している重要テーマを深く掘り下げる特集企画
☆教会の現場の必要に応じた新連載が続々スタート
詳しくはこちらから → https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?page_id=34471
□―――――――――――――――――――――――――□
★「クリスチャン新聞WEB版 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/csdb/」(有料)では、1967年創刊号からの週刊「クリスチャン新聞」を閲覧、全文検索(1998年以降)できます。