左から山田監督、出演者の寺島しのぶさん、東ちづるさん、常盤貴子さん、落井実結子さん、山田邦子さん

 

障がいある子どもも、大俳優もいっしょになって、笑いと涙のあふれる映画となった。それらが色彩豊かで温かみある映像で表現される。

福祉、権利向上に尽くした様々な人物、キリスト者の姿を映してきた山田火砂子監督の最新作品、「わたしのかあさん」が2月から順次全国公開される。

2月2日には、キャストも登壇する試写会が、作品の舞台にもなった東京・中野区で開かれた。山田監督や主演の寺島しのぶさん、常盤貴子さんら俳優陣、作品にも出演した障がいがある子どもや表現者たちが集合。それぞれ作品完成を喜ぶとともに、混迷する社会への思いを語った。

 

俳優たちと、出演した障がいがある子ども、表現者たち、がにぎやかに登壇

 

障がい者両親の子題材に 山田火砂子監督「わたしのかあさん」(寺島しのぶ主演)制作発表

 

同作品は、児童福祉文化賞(児童健全育成推進財団選定)受賞の児童文学『わたしの母さん』(菊地澄子作)が原作。小学校4年生の高子が、両親の知的障がいに気づき、葛藤する。「世間」の声や目線に押しつぶされ、「恥ずかしい、よその家の子になりたい」と思い詰める・・・。

 

物語は、障がい者福祉施設園長となった現代の高子(常盤貴子)を取り巻く状況と、1980年代の母・清子(寺島しのぶ)との回想エピソードを中心に展開する。

冒頭から、実際に障がいがある子どもたちが自然な姿で登場し、俳優らとにぎやかにかかわる。家族の葛藤のエピソードは、監督自身が知的障がいがある娘を抱え、社会と向き合ってきた、という経験に裏打ちされている。

さらに清子の母・秀子のエピソードや、社会福祉の父・糸賀一雄の足跡も紹介されることで、戦後3世代、4世代にわたり、制度や偏見をこえてきた人々の営みも伝わってくる。

「武器よりも福祉にお金を」「なんで誰も戦争を止めないんだ」など、現代の日本や世界への率直なセリフもためらわず盛り込まれる。認知症、ヤングケアラー、共働き、など様々な社会的課題も意識されるだろう。

「善をもって、悪に報いる」。弱さを抱えた小さな家族の前向きな姿が、戦いに満ちた現代世界に一筋の光を見せてくれる。重要な場面で教会のシーンが何度かあり、讃美歌536番「むくいをのぞまで」や新約聖書ヨハネ9・3が映画の基盤になっている。

 

上映スケジュール2月は、

2月3日茨城県結城市 結城市民センターアクロス10:30〜、14:00〜

2月8日 東京都練馬区 大泉学園ゆめりあホール10:30〜、14:00〜、18:30〜

2月10日東京都東村山市 東村山市立中央公民館ホール10:30〜、13:30〜

2月15日 東京都荒川区 サンパール荒川小ホール10:30〜、14:00〜

2月24日 栃木県宇都宮市 宇都宮市文化会館 小ホール10:30〜、14:00〜

2月27日東京都町田市 町田市民ホール13:50〜

2月29日東京都練馬区 大泉学園ゆめりあホール10:30〜、14:00〜

以降、全国で順次公開。詳細は現代ぷろだくしょんホームページ

 

 

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