関西学院「母校通信」で波紋広がる 巻頭企画「日本の防衛を考える」をめぐって
関西学院同窓会が発行した「母校通信」153号が学院関係者およびキリスト教界において波紋を広げている。巻頭企画で「日本の防衛を考える」という特集を組み、森康俊学長と井上武史法学部教授が2人の防衛省・自衛隊で活躍された同窓生と座談会の形で自衛隊の在り方や役割、領土と国民の命を守ることなどについて話し合っている。
話し合いの中で森学長は関学の「Mastery for Service」というスクールモットーに触れ、「アメリカの若者の会話で”Service”というと、”Military Service”、つまり兵役・軍務につくことを意味します。長く平和を享受してきた本学の学生は、”Service”にこの含意があることは気づきません」と、この言葉への認識を示している。初代学長C.J.L.ベーツが提唱した「Mastery for Service(奉仕のための練達)」との整合性が問われるところである。
また、塚本恵美子編集委員長は編集後記で「北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過する!日本は安全であるという神話にしがみついている状況」を憂いているが、この言説は関学の神学部が理念とする「国際社会と対話する能力を修練する」ということに反し、外国籍の卒業生・在校生・教職員に対するヘイトに当らないかとの懸念が生まれている。
この「母校通信」が発行された時から、卒業生や関係者からfacebookでも抗議や疑問の声があがり、関係機関から抗議文や質問状が出されたりしている。
また、3月31日の「関西学院長だより」において中道基夫学院長は、イースターの挨拶によせて「関西学院のスクールモットーである“Mastery for Service”を提唱したベーツ第4代院長は、1925年、第2次世界大戦を予見しながら『剣に依存して世界の色々の問題を解決するよりも、更に善い方法を取るように努めることを希望する』と訴えました。私たちもこのイースターの希望を伝えていきたいです。」と「母校通信」の内容を打ち消す考え方を示した。
(レポート・鳥井新平=日本基督教団 近江平安教会牧師)
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