a_02poster 日本大学芸術学部(日藝)映画学科映像表現・理論コース3年ビジネスゼミの現役学生ら主催の「信じる人をみる宗教映画祭」が、12月10日(土)~16日(金)まで東京・渋谷ユーロスペースを会場にして開催される。今回で6回目を迎える日藝現役学生による映画祭は、テーマ設定から上映作品の選定、上映交渉、宣伝まですべて学生主導で企画・運営されている。麻原彰晃(本名:松本智津夫)を教祖としたオーム真理教関連の事件が機動隊によって強制捜査された1995年生まれの現役学生が大半。そのことも関係してか、今回の映画祭のテーマは、これまでの映画をとおして“宗教を考えること”。とりわけ、“信じる人たち”“信じることに葛藤する人たち”が描かれている15作品を選定し、映画祭をとおして“なぜ信じるのか”を問い掛けている。その問いかける姿勢は、信じることを揶揄するものではなく、むしろ“信じること”はいつの時代も必要という思いをもって真摯に企画されている。 【遠山清一】

今回、映画祭で上映される15作品の中には、無神論者の大学教授とクリスチャンの新入生が、教授の授業で神の存在性ついて議論を展開する映画「神は死んだのか」(2014年)や、イスラム原理主義集団によってアルジェリアの山奥で惨殺されたカトリック修道院の修道士たちを描いた映画「神々と男たち」(2010年)など、このクリスチャン新聞公式サイトレビュー欄で掲載した作品も多く上映される。日藝の学生らが選んだ15作品と向き合い、“信じること”の意義をあらためて考え、そして語り合ってみたい映画祭だ。

【「信じる人をみる宗教映画祭」公式サイト】http://syukyou-eigasai.com/

<本サイトの映画レビューで取り上げた上映作品>
*「神々と男たち」(2010年・日本公開2011年)
URL https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=1508
*「セデック・バレ第1部・第2部」(2011年・日本公開2013年)
URL https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=1670
*「大いなる沈黙へ」(2005年・日本公開2014年)
URL https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=1778
フィリップ・グレーニング監督インタビュー
URL https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=1776
*「神は死んだのか」(2014年・日本公開2014年)
URL https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=1813
*「禁じられた歌声」(2014年・日本公開2015年)
URL https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=2381
A.シサコ監督インタビュー
URL https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=2750

time<そのほかの上映作品>
*「裁かるゝジャンヌ」(1928年。監督:カール・Th・ドライヤー)
ジャンヌ・ダルクの異端審問から火刑までを、信仰者の少女として追い、描いている。

*「天草四郎時貞」(1962年。監督:大島渚)
キリシタン民衆をまとめて蜂起する意義と神の意志を問う論争シーンは必見の価値あり。
*「冬の光」(1963年。監督:イングマール・ベイルマン)
ベイルマン監督が“神の沈黙”をテーマに描いた三部作の第二作目の作品。本作には、監督自身の神への疑念や信仰への葛藤が描かれている。
*「ノスタルジア」(1983年。監督:アンドレイ・タルコスキー)
祖国に同化できない詩人が、イタリアへ旅しても安息はなく、第三の祖国・安息の地を求めて人々から「狂人」と呼ばれるドメニコと出会う…
*「奇跡の海」(1996年。監督:ラース・フォン・トリアー)
神の声に従って多数の男性と肉体関係w結んでいくベス。彼女をそのような行為に駆り立てるものは幻想か、愛の力なのか…。
*「ある朝はスウプ」(2004年。監督:高橋 泉)
パニック障害から新興宗教にハマった男と、そこから呼び戻そうとする女の物語。
*「カナリア」(2004年。監督:塩田明彦)
カルト教団の施設に母と妹と共に数年間身を寄せていた少年が、宗教ゆえに“孤児”となっていく…
*「ジーザス・キャンプ アメリカを動かすキリスト教原理主義」(2006年。監督:ハイディ・ユーイング、レイチェル・グラディ)
キリスト教福音宣教会が主宰する子どもたちのサマーキャンプを追ったドキュメンタリー。
*「シークレット・サンシャイン」(2007年。監督:イ・チャンドン)
夫を亡くした妻シネが、息子と夫の故郷で新たな暮らしを決意する。だが、最愛の息子が誘拐され殺害されていしまう。キリスト教に救いを求めるシンは、大きな悲しみをどのように乗り越えるのだろうか。信仰は人を救うのだろうか…。
*「水の声を聞く」(2014年。監督:山本政志)
ミンジョンは小遣い稼ぎで占い師を始めたが、いつの間にか宗教団体の教祖になっていた。偽りの心から始めた宗教心が、やがて本物へと変わっていき、大きな祈りへと向かっていくのだが…。