アーカイブ: レビュー - ページ 14
映画「パラレル・マザーズ」――新生児取り違い端緒に展開する生命への畏敬
ジャニス(奥)はアナ(手前左)にセシリアがアナの子であることを伝えることができたが… © Remotamente Films AIE & El Deseo DASLU 想定外の妊娠に直面しシン…
【レビュー】『ヤバい神』『旧約聖書における自然・歴史・王権』『ここが変わった!「聖書協会共同訳」旧約編』『旧約聖書と教会』『契約と贖いから味わう「神のことば」』
新約の神は「愛」だが、旧約の神は「厳しい」といったイメージが聞かれる。差別、抑圧、戦争の正当化に旧約聖書が用いられた歴史もある。『ヤバい神 不都合な記事による旧約聖書入門』(トーマス・レーマー著、白田…
映画「スーパー30 アーナンド先生の教室」――才能を活かす教育プログラム誕生物語
有名講師として成功したが、亡父が語っていた励ましの言葉が自分と同様に貧しさのため進学できない子どもたちに無償で教育することを決意させる (C) Phantom Films, N&G Ent, …
映画「失われた時の中で」――夫の死が遺した戦争の現実と傷痕にも屈しない希望への道程
在りし日のグレッグ・デイビスさん (C)Joel Sackett 政治の世界では、戦争は終わるのかもしれない。だが、戦争の傷痕は数十年、百年経っても消えることはないし、むしろ後継世代に新たな傷痕、障害…
【レビュー】アメリカの精神文化、本音、かいま見える 『アメリカ・キリスト教入門』評・丸山悟司
関西学院大学法学部宗教主事・教員である著者の大宮有博氏は、高校生の時に交換留学で渡米してアメリカ史を学び、後に神学校でも学んでいる。アメリカでの生活と実体験、また、その後の研さんによるアメリカの文化と…
【レビュー】分断、無力感こえ、再び祈り続ける力に 『夜明けを共に待ちながら 香港への祈り』評・塚本良樹
本書は、祈りの本である。 「香港」という、日本から海を隔ててすぐ近くにある一つの都市を、そこに植えられた教会を、そしてそこから逃れて世界中に散らされた香港人キリスト者たちを想って、オンラ…
インタビュー:イザベル・タウンゼンドさん 亡父原案の映画「長崎の郵便配達」でたどる心の軌跡
イザベル・タウンゼンドさんプロフィール:1961年、フランスでピーター・タウンゼンドの娘として生まれる。80年代を代表する商業写真家のブルース・ウェーバーやピーター・リンドバーグらのもとで世界的なモデ…
映画「長崎の郵便配達」――原作と響き合い原爆の悲惨さを語り継ぐ静謐なハーモニー
本作の原案となった父の著書を手に谷口さんを取材した長崎の足跡をたどるイザベルさん (C)坂本肖美 1945年8月9日午前11時2分。77年前、長崎に原爆が投下されたその日がまた巡って来る。日本原水爆被…
【レビュー2】救いの始まりから完成までを三重の切り口で 『人はどこから来て、どこへ行くのか?《神のかたち》の人間観』 評・関野祐二
ゴーギャンの絵画に記された「我々はどこから来たのか我々は何者か 我々はどこへ行くのか」との問いかけに正面から答えた渾身(こんしん)の作。前著『わかるとかわる!《神のかたち》の福音』(二〇…
【レビュー1】贖罪論批判に応え、信仰者に健全な理解促す 『死と命のメタファ キリスト教贖罪論とその批判への聖書学的応答』評・河野克也
本書は、高橋哲哉氏の「犠牲のシステム論」によるキリスト教贖罪論批判への応答という枠(「はじめに」・「エピローグ」)の中で展開される極めて良質かつ壮大な新約聖書神学の書です。しかしそれは、単なる記述的な…