アーカイブ: レビュー
【書評】説教と対談で、教会と牧師の物語を立体化 評・関野祐二 『自分自身と群れ全体とに気を配りながら』
壮大な神の物語に書き込まれた教会の物語、その教会に37年仕えた牧師の物語、この二つを重ね合わせ、横からも裏からも光を当てて立体視させる、ユニークな退任記念説教集が世に出た。 横から、とい…
映画「摩文仁 mabuni」――“死者の記憶と祈りが刻まれた丘”沖縄戦後80年鎮魂の記録
1946年2月に建立された「魂魄之塔」。周囲に散乱していた遺骨を3万5千余柱は拾い集めて納めたという。 ©ユーラシアピジョン 沖縄県では、県条例で毎年6月23日を「慰霊の日」と定め、沖縄戦等の戦没者を…
【レビュー】『使徒言行録を読もう』『改革教会の信条と展開』『神様、これってどうなんですか?』『苦悩への畏敬』『善き力』
単に「働き」と呼ばれていたとも言われる新約聖書の「使徒の働き」。『使徒言行録を読もう』(川﨑公平著、日本キリスト教団出版局、2千750円税込、四六版)の著者は「『教会の働き』と呼びたい」と言う。教会の…
【書評】再洗礼派の「非暴力」を生き方の問題として 評・南野浩則『非暴力主義の誕生』
本書は、宗教改革運動の一つで、スイスに源流を持つ再洗礼派の歴史を描いています。新書版でコンパクトにまとめられてはいますが、さまざまな出来事が具体的に述べられており、再洗礼派の変遷を理解するのに最適です…
映画「秋が来るとき」――心のひだに潜む影の存在への気づき
ブルゴーニュの自然の恵みの中で穏やかな日常をたのしむミッシェル(左)とマリア (C)2024-FOZ-FRANCE 2 CINEMA-PLAYTIME スイスの精神科医ポール・トゥルニエは、著書『人生…
「同性愛」と聖書解釈〈2〉 聖書の規範性と時代的制約 解釈者自身に潜むバイアス
新刊『「同性愛」二つの見解 聖書解釈をめぐる対論』の朝岡勝氏による書評の2回目(全4回)。 前回 《神学》「同性愛と聖書解釈」 LGBTQ+ 異なる立場の対話 書評・朝岡 勝 では私たち…
【レビュー】『カール・バルト入門』『悲しみに壊れた心はどこへ行くの? 』『驚くべき人間のからだ』『クィア神学入門』『サーバント・リーダーシップの原則』『ローマの道化師』
神と人、何より神からの「和解」をバルトは強調する。「和解論」を中心とする『カール・バルト入門 21世紀に和解を語る神学』(上田光正著、日本キリスト教団出版局、2千640円税込、A5判)が…
【書評】「和解」の概念は聖書において自明なのか 『聖書における和解の思想』評・山口希生
本書には7人の研究者による聖書的な「和解」についての研究の成果が収められていますが、実は「和解」は聖書において頻繁に登場するテーマではありません。 藤田潤一郎氏は「旧約聖書正典の本文には和解を含意する…
《神学》「同性愛と聖書解釈」 LGBTQ+ 異なる立場の対話 書評・朝岡 勝
『「同性愛」二つの見解 聖書解釈をめぐる対論』 ウィリアム・ローダー、メーガン・K・デフランザ、ウェスレー・ヒル、スティーブン・H・ホームズ 寄稿 プレストン・M・スプリンクル、スタンレー・N・ガンド…
復活は全被造物の回復のため 『まるごとのイースター物語』
『The Whole Easter Story — Why the cross is good news for all creation』 英語、1,250円税込。(紙版オプションあり) 被造物全体…