日常から離れ、神が創造された自然を近くに感じ、信仰を深め、様々な決心の場となってきたクリスチャン・キャンプ場。本来夏は青少年のキャンプが目白押しだったが、今年はコロナ禍で多くがキャンセルとなった。経営的にも大きな打撃となっている。本紙では紙上とオンラインを組み合わせ、連載で各地のキャンプ場に思いをはせる。その第五回目。

前回は キャンプと創造④ 教会、地域の持続可能性と共に 青森・青森クリスチャンセンター2020年9月4日

 

寝食を共にし、御言葉に扱われる経験の価値

―新潟県柏崎市鯨波にある聖ヶ丘バイブルキャンプ。地名から想像されるように、徒歩約10分で海に出られ、自然も豊か。春夏はキャンプでにぎわうはずが、コロナ禍によって主催キャンプを3月から中止した。同キャンプ委員長の塚田献さんと、常駐スタッフの佐々木昇さんに状況を聞いた。

塚田 春は主催キャンプのU20(20歳以下)、U13(13歳以下)を中止しました。3月初めころまでは、「何とかできないか」と準備を進めていましが、公立学校が休校措置となり、県内で感染者も発生したので、緊急に委員会を開き中止を決定しました。夏には収まるかなと期待しましたが、最終的に6月の委員会で夏のU20、U13、ファミリーキャンプなどを中止しました。

 

―主催キャンプには、地元を拠点とする日本伝道福音教団ほか、日本同盟基督教団など様々な教会からの参加がある。近年は富山県や石川県からの参加者も集っていた。

 

佐々木 主催キャンプ以外では、外部の団体利用でもキャンセルが続きました。夏は関東からの団体が利用予定でしたが、緊急事態宣言発令後にやはりキャンセルになりました。

 

 

塚田 主催キャンプが中止となり、キャンパーも残念がっていた。ワンデイキャンプやリモートでの開催など、何かできないかと委員会で話し合ったが、やはりキャンプの良さをなかなか生かせない。何とかやれる状況になるまで備えようという結論になりました。

 

―大切にしているキャンプの良さとは

佐々木 同じところに集まり、寝食を共にし、御言葉に扱われる経験が大切です。リモートでも様々できるだろうけれども、いっしょに寝食をともにするという経験はなかなかできない。いっしょにいるからこそ、できることがある。それがキャンプの大切なところだと思います。

 

塚田 自然の中で、いっしょに過ごす。それだけでもいつもと違う時間、空間を共有することになります。その中で、若い人が、神様と向き合う時間をもち、御言葉に触れていくことは、本当に貴重な経験です。もちろん、どこでも御言葉に触れられるのですが、改めてキャンプで触れるということは、大切な意味がある。普段は、キャンプ前に「行きたくない」と言っていた子どもたちが、いざコロナ禍でキャンプが中止になってみると、「キャンプに行きたい」と言うのです。なんだかんだ言ってもやはりキャンプが心に残っているんだなと思います。本人たちもそのことに気づいたのかもしれません。

 

―敷地を共有する新潟聖書学院との関係も日頃からある。

 

佐々木 神学生にはキャンプ奉仕をしていただき、助かります。神学生にとっても訓練になります。キャンプ期間だけでなく、日頃から草刈りやキャビンの清掃など助けられています。

 

塚田 神学生は4年間かかわることで、多くの人と顔見知りになる。地方のキャンプ場としてのつながり、交わり、近さを感じます。

 

動植物が多く、穏やかな自然

900メートルの山があり、かつてはキャンプでも登山を行ったこともありました。また車で1時間ほどで妙高高原周辺のスキー場があります。夏は確かに暑いけれども、街中に比べると過ごしやすい。夜は涼しい風が入ってきます。また野生の生き物が豊富。小学生はカブトムシやクワガタを採って喜びます。フクロウやムササビ、ヘビ、ウサギ、リス、タヌキなども見かけます。以前天井裏にテンがいて驚きました。都市に近いけれども動植物が豊かです。

塚田 夜はナイトハイクで星を見るなどのプログラムもあります。自然を体験できます。確かに近年の暑さは異常で、対策を講じなければいかないかと思うほどです。ただ新潟は比較的台風は少なく、この鯨波地域は、柏崎の中でも豪雨水害が少ない穏やかな地域です。

 

祈祷課題

佐々木 大きなところでは、主催キャンプが無くなって、経済的な必要があります。近隣の教会が理解くださり、支援、献金をくださった。まだまだ主催キャンプでまかなう経済的部分は大きいので、影響は大きい。またこのような時こそ、キャンプ場とは何かを、いろいろな意味で見直す機会にしたいと考えさせられています。そしてそのことを改めて諸教会やキャンパーたちに伝えていければなと思います。

 

塚田 改めて主催キャンプが開催できるようにお祈りください。今後もいつ収まるか分からない。春夏は貴重な機会。キャンプで魂が養われる。このような状況でも若い人の信仰が守られ、彼らの信仰がイエス様と結びつくように祈っていきたいと思います。そして働きが継続できるように。委員会の先生方を中心に、キャンプ場の整備に力を入れています。施設も老朽化があり、維持管理が重要だと再認識しています。主に用いられるよう、整える必要があります。

 

聖ヶ丘バイブルキャンプ TEL  HP 新潟聖書学院ホームページ https://niigata-bible-institute.jimdofree.com/ (同ページ内に聖ヶ丘バイブルキャンプのページ)

 

【献金あて先】郵便振替 00640-9-5966

聖ヶ丘バイブルキャンプ委員会

 

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