日常から離れ、神が創造された自然を近くに感じ、信仰を深め、様々な決心の場となってきたクリスチャン・キャンプ場。本来夏は青少年のキャンプが目白押しだったが、今年はコロナ禍で多くがキャンセルとなった。経営的にも大きな打撃となっている。本紙では紙上とオンラインを組み合わせ、連載で各地のキャンプ場に思いをはせる。その第六回目。

前回は→ キャンプと創造⑤ 寝食を共にし、御言葉に扱われる経験の価値 新潟 聖ヶ丘バイブルキャンプ2020年9月11日

 

―房総半島と伊豆半島の間にある伊豆大島(東京都)は、東京竹芝から高速船で1時間45分。火山で形成された雄大な景色と、草花、海が特徴の観光地だ。コロナ禍では、交通経路が限られる島という地形ならではの不安をかかえながら、日々の暮らしに向き合っている。この島にあるクリスチャンキャンプ場「いずみのいえ」代表の古谷晃さんに状況を聞いた。

 

島の観光と感染予防の葛藤

古谷 9月に入り、島で初めての感染者が4人発生し、ヘリで都内の病院に搬送されました。関係する島民400人の検査をしましたが、全員陰性でした。今まで誰が感染するかと戦々恐々としていました。まちは15日ころまで自粛の雰囲気でした。Go to travelで島に旅行に来ている人たちは、いくらかはいます。島の人々は心配しつつ、経済のために旅館なども一部営業しています。

―いずみの家でも春から利用を自粛している。

古谷 いつでも使える準備はしていますが、毎年来てくれる人たちにも、今年は遠慮しようと気を遣っています。いざキャンプが始まると、盛り上がり過ぎてしまうこともあるので気をつけています。実は4月に足をけがして、休んでいました。ゴールデンウィークには、毎年来てくれる保育園があるのですが、「また時期を選んで年内にぜひいきたい」と言ってくれています。卒園旅行となるので、何とか来たいと思ってくれています。

椿、火山、海の雄大な景色

―いずみの家は海が目の前にあり、動物園や植物園がある都立大島公園に隣接する。大島の名産は椿。椿から作る椿油は高級油として珍重されている。いずみの家でも育てている。

古谷 2月には花が咲き、公園で椿祭りがあります。椿の木があり、2月には花が咲き9月には実が採れますが、今年は気候の影響で実のつきが遅いようです。またキャンプ場の境界線には、桜の木があり、春にはきれいな花を咲かせ、私たちは夜桜を楽しみます。

 

―島の雄大な自然を感じさせるのは三原山。火山によって砂漠地帯(裏砂漠)も形成されている。

 

古谷 島の浜は黒砂。波の荒い行者浜は大小の丸い石の浜。三原山と裏砂漠は雄大で星空は格別。部屋からは、昇る太陽、月あかりが見え、皆様の楽しみに一つです。今年は、キャンプ場としての活動はできませんでしたが、妻が近所の子たちにピアノを教えていて、その子たちと海や山にいきました。浜では波の力で石が丸くなっています。完全に丸い石を探そうとゲームのようにして楽しんでいます。ただ今年の海は水温が高く濁っていました。

―気候の変動を身近に感じることもある。

古谷 昨年は島の上空を台風が通り、島内で様々な被害がありました。キャンプ場の施設も損傷しました。このとき、昔東北のクリスチャンキャンプ場のスタッフだった仲間が駆けつけて直してくれました。

祈祷課題

45年キャンプ場を続けてきた。運営母体が個人に変わり難しさもありますが、島だからこそ出来るキャンプを、もう一年続けていきたい。その前に、ワクチンが開発されるなどして、新型コロナウイルスが終息するように。保育園のほかにも、秋に毎年自転車でのツーリングをする人たちなど、来たいと思っている人もいるので、ぜひ安全な形で再開できるようお祈りください。

 

いずみのいえ TEL 04992-2-9203 HP http://kurinon28.hatenablog.com

【献金のあて先】

みずほ銀行 大島特別出張所店 店番:619 口座番号:0967817 名義:オオシマイズミノイエ フルヤアキラ

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