2017年創刊50周年記念関連記事を再掲します。

①創刊50周年を迎えて 聖書を土台とした多様性を 編集長 髙橋昌彦

②〈聖書信仰の確立〉終わりなき宿題 激動の世界で真価問われる 〝信仰と生活の唯一の規範〟として

③〈宣教のビジョン〉時代を反映 大挙伝道から多様な宣教へ 世界の転換に伴う変化も映して

④〈実際生活の指針〉メディア環境を変えながら 多様な生き方、ステージへ対応

★⑤共産圏・中国内外で教会は? 「竹のカーテン」の中で進む宣教追う

「胎児のいのち」守る活動追い 小さないのちを守る会

⑦連載から名画紹介図書へ バイブル アンド アート ミニストリーズ 生活のあらゆる領域に神の主権を

⑧「靖国国家護持」問題と今 西川重則さん(平和遺族会代表)

⑨「困っている時に世話を」 三谷六郎さん(キングス・ガーデン創設者)

⑩クリスチャン新聞創刊50周年記念礼拝で吉持氏 福音派諸教会の目、耳、口

50周年記念関連記事リストはこちら→ クリスチャン新聞50周年記念号記事を再掲載


1968年5月12日号 JEA創立を伝える

聖書の真理に立つ情報インフラとして 日本福音同盟理事長 廣瀬薫

クリスチャン新聞創刊50周年おめでとうございます。半世紀に渡る尊いお働きに感謝し、すべてをお導きくださった主をあがめます。

○宣教におけるメディアの重要性

明治時代来日した宣教師たちの実践を見ると、おもに3つの働きが深い関係を持ちつつ並行して進められていたことに気付きます。①伝道とキリスト教会の形成、②聖書とキリスト教の教育、③出版、メディア、の各活動です。そもそもキリスト教会はその2千年の歴史を貫いてこの3つの活動を展開して来ました。特に500年前に私たちプロテスタントが成立した宗教改革とその後の展開においては、この3つが関連して重要な役割を果たしました。どれを欠くこともできないものでした。

クリスチャン新聞は、この③の分野で、日本における重要な役割を担い果たして来られました。それは、①や②の健全な前進にも、深く関係し、寄与しています。今後も3つの分野が、「聖書信仰」を絆に、ますます協力関係を深めて行くことを期待しています。クリスチャン新聞が掲げる「聖書信仰の確立」「宣教のビジョン」「実際生活の指針」は、クリスチャン・メディアだけが担う目標ではなく、以下の三者が共通して目指していることです。①教会、伝道団体、②神学教育機関、キリスト教主義学校、③キリスト教メディアが、福音宣教の前進のために力を合わせて行くことが、今極めて重要だと受け止めています。

○情報インフラの大切さ

JEA(日本福音同盟)は、福音主義の諸教派諸団体の集まりとして、「宣教協力のインフラとしてのJEA」を掲げて機能することを目指しています。「インフラ」とは、関係者が健全に存続し、幸いな自己形成と活動を展開するための必要を、基本的なレベルで満たす存在です。それは「無くなったら私たちの存在に支障を来す」必需品の供給源です。現代に不可欠な「情報」供給の「インフラ」として、クリスチャン新聞がキリスト教会と世に仕え続けて下さることを期待しています。

これからの時代は、情報過多、玉石混交、多様化、無規範、人間の尊厳の棄損される方向に、しばらく進むと思っています。この世の報道機関がジャーナリストとしての気概を失って妥協に流れる気配を感じます。そのような時代に、クリスチャン・メディアが聖書の真理に立つことを貫くことは極めて大切です。共に手を携えて、互いを活かしあって歩みたいと願っています。土台は、聖書に立つ福音主義エキュメニズムであり、「ベクトルは鮮明に、スタンスは広く」が望ましいと考えています。

2001年3月18日号 シリーズ「講壇に立つ女性たち たくましく生きる 弱い器」で丸山さん

小さな開拓教会を覚え祈ってもらえる喜びが 日本同盟基督教団習志野台キリスト教会牧師 丸山園子

 「クリスチャン新聞」創刊50周年…主が記者を起こし続け、導いてくださったことを覚えて、感謝いたします。

神学校卒業後、すぐに開拓に派遣された私は、「クリスチャン新聞」によって、励まされたものでした。地方の小さな町から出ることも少なく、目の前の限られた人数の教会、なかなか進まない宣教の現実に「籠る」危険性がありました。そのような状況に置かれていても、各地で行われた集会の記事を読み、救われた人が起こされていることを知り、喜ぶことができました。

社会情勢に心痛み、祈りを共にしました。何か協力できることはないか、と心探られました。そして、困難の中でなされている主のみわざの証しの記事を読み、主の栄光をほめたたえたものでした。
当時、「クリスチャン新聞」にリレーメッセージのコーナー(※シリーズ「講壇に立つ女性たち たくましく生きる 弱い器」)があり、そこに載せていただきました。小さな開拓教会を覚えて祈ってもらえる喜びがありました。
「クリスチャン新聞」を通して、世界の諸教会の情報を知ることができます。これは、聖書に見ることができる初代教会の交わりの姿。委託者を派遣し、手紙をやり取りして情報交換していたことに思いを馳せます。マイチャーチ主義に陥らないように、それぞれの教会が置かれている地域を知り、具体的な状況を知り、祈り合うことができますから、今後も期待しています。

それにしても、その情報が「速報」ということならば、インターネットニュースやソーシャルネットワークサービス(SNS)で間に合うでしょう。
でも、「クリスチャン新聞」が必要なのは、主の視座・世界視野・時代のしるしを見る視点から記事が書かれていること。その情報は、教会に影響を与えます。それだけに責任も重いと思います。
これからも、この時代にあって、みことばに堅く立ち、主のみこころを具体的に提唱し、主の栄光を語り告げる『クリスチャン新聞』として、さらに豊かに用いられますように。

2016年09月04日号 山崎さんインタビュー

キリスト教的視座を養い、決断を迫る存在  お茶の水クリスチャン・センター常務理事 山崎龍一

 10年ほど前のこと。クリスチャン新聞記者とある出来事ついて話をしていた時、「それ、記事にしてみませんか? 締め切りは明日。徹夜しても書く価値ありますよ…」と、締め切りが明日という「非常識」なリクエストを笑顔で語る記者魂に敬服し、一晩かけて記事を書き上げた。苦難を受ける覚悟で信仰を貫いた一人のキリスト者青年のストーリーだった。何を記事にするかを見極める記者の嗅覚を感じた。

クリスチャン新聞創刊号の1面はビリー・グラハム国際大会に向けた協力体制の拡大だったと聞く。当時の福音派成長の息吹を感じる時代を記し、後に靖国法案について論じつつクリスチャン新聞は宣教的視点をもってジャーナリズムの矜持を保ち、50年の歩みを刻んできた。その歴史、記者の取り組みに心からの敬意を表したい。

近年はソーシャルネットワークサービス(SNS)の発達により、週刊のクリスチャン新聞は情報伝達・速報性という点での新鮮味は薄れてきた。SNSは情報の速報性に優れ、若い世代に届く力を持っているが、その情報の意味付けは時に主観的であり、一部の人の「声」が拡散してしまう傾向を否めない。
この時代にあってクリスチャン新聞に期待することは、拡散していく様々な情報の中から価値ある情報を峻別し、キリスト者の視座を養う記事を諸教会に届けること。現代社会に起こる出来事をどのように理解すべきかの視点を掘り下げ、読者に決断を迫るキリスト教信仰の良心的存在であることだ。
そして現代に届くキリスト教的思索を養う「論説」、キリスト者がこの世界で責任を果たし、その生き方を整えられた読者が伝道そして教会形成に仕える起点となる「論説」を復活してほしい。社会における不条理に対して、一般のジャーナリズムの安易な引用や言葉を用いず、「教会の言葉」「信仰の言葉」で語り抜いてほしい。

現実を生き抜く「教会の言葉」「信仰の言葉」こそ、社会性を持つ良質な言葉・記事となり、その言葉を通じて記者と読者に霊的な交わりが生まれ、思索の成熟という宣教の展開へとつながる。新聞のネット版、SNS、他のキリスト教メディアとの連携を通して読者とクリスチャン新聞が幅広くつながり、いのちのことば社の信仰良書や販売物を通して総合的に伝道が展開されていくだろう。
クリスチャン新聞がそのキリスト教的思索の成熟の基点となることを願っている。

50周年記念関連記事リストはこちら→ クリスチャン新聞50周年記念号記事を再掲載

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クリスチャン新聞は、1967年5月にそれまで月刊で発行されていた『福音ジャーナル』を母体に創刊し、日曜礼拝を中心とするクリスチャンの生活サイクルに合わせ、同年11月からは週刊で発行してきました。

50周年を迎えた2017年には、4回の特集、2回の記念集会を実施しました。改めてこの50余年の報道の歴史を通して、戦後の諸教会の宣教の一端をご覧いただければ幸いです。

※毎週火曜、土曜に本オンラインで掲載します

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