能登半島地震 「被災教会の負担増やさない」 再建への協議も 日基教団中部教区
日本基督教団中部教区は、同教団被災教会の状況報告をウェブサイト(uccj-chubu.com)に連日掲載した。以下は同サイトと教区議長の加藤幹夫氏(阿漕教会牧師)からの詳細情報によりまとめた。(写真はすべて日本基督教団中部教区提供)【間島献一】
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石川県輪島市・輪島教会では、会堂の基礎が損傷し全壊。玄関を中心に一階が崩壊し、屋外から会堂内が見える状態だ。教会員の家でも全半壊、全半焼がある。自宅が無事でも隣家に倒壊のおそれがあり入れない場合がある。牧師含め多数の教会員が各避難所で生活。7日は避難所の廊下で主の日を覚えて共に聖書を読み祈りを捧げた。
輪島への道路は損傷が多く、日中の限られた時間帯に、緊急車両など限られた車両が通行し、その他は原則通行できない。支援物資は避難所に届き始めた。
七尾市・七尾教会では、併設の七尾幼稚園が一時避難所として行政に認定されていた。大津波警報と地域の要望により避難所機能を開始。行政は一時避難所の使用を8日までと定め、避難者は、一旦は閉館した小規模多機能居宅介護事業所を再開した避難所へ移った。この移動が一番大変だったというが、期限が定まることで引き伸ばしにならず、教会・幼稚園の活動が通常に戻れた。
ひとたび教会を支援拠点にすると長期化する。人と物資の出入りが絶えず、教会活動に支障が出る。しかしこれを拒むこともできず、疲弊した牧師が牧会できなくなってしまう恐れもある。これは東日本大震災で起こった事例だ。この教訓をいかし同教区では、教会の支援拠点化を原則行わない方針をとった。
羽咋(はくい)市・羽咋教会では断水が4日間続いた。関係幼稚園では地盤が隆起し、床材が押しあがった。志賀町・富来(とぎ)伝道所では給湯設備の貯水タンクの土台が割れ大きく傾いた。
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同教区は、大規模災害マニュアルに従い、教区と教団が連携し合い、教会活動支援と人道支援を進めていく方針を固めた。
現地委員が立てられ、情報を収集。それを教区の事務所に集約し、各教会に伝えている。同教区はウェブサイトなどを通じて、被災地への直接連絡ではなく教区の窓口を通すことを繰り返し要請している。被災教会の牧師もまた被災者であり、その心身の負担を増やさないための仕組みだ。
現在は、礼拝・牧会を通して福音が語られるための教会活動を支援し、募金を募り、今後の会堂再建に向けた協議をしている。また、各教会と教師の状況に合わせた支援を行う計画だ。
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