『第7回日本伝道会議 宣教ガイド2023 「おわり」から「はじめる」宣教協力』(いのちのことば社)

 

2016年、神戸で開催された第6回日本伝道会議

第七回日本伝道会議(JCE7)が、9月19〜22日、岐阜県岐阜市の長良川国際会議場で開催される(オンライン参加もあり。登録は9月14日まで)。18日は東海フェスティバル、24日はオンライン合同礼拝、と関連行事も前後にある。

日本伝道会議は、聖書を「信仰と生活の唯一の規範となる神のことば」と信じる福音的な教会の宣教協力のために、1974年から数年おきに、第五回以降は7年ごとに、開催されてきた。国内外の宣教協力の潮流を受け、第一回の「京都宣言」以降、第五回の札幌開催にいたるまで、各宣言が出され、第六回の神戸開催では、15のプロジェクトから宣教のロードマップが提出された。

以下、◆各伝道会議宣言文、◆連載 JCE7を聞く、◆JCE6からの主な経過、を関連事項、資料、書籍の紹介とともにまとめる。

◆各伝道会議宣言文

第1回日本伝道会議 京都宣言(1974)
第2回日本伝道会議 京都宣言(1982)
第3回日本伝道会議 塩原宣言(1991)
第4回日本伝道会議 沖縄宣言(2000)
第5回日本伝道会議 札幌宣言(2009)

第6回日本伝道会議(2016)に提出されたロードマップは『再生へのリ・ビジョン 次の伝道会議〈2023年〉へのロードマップ』(第6回日本伝道会議実行委員会編、いのちのことば社)に掲載している。

第7回日本伝道会議宣言文については以下を参照。

宣言文は「祈り」に 赤坂泉氏(JCE7宣言文作成委員会委員長) 

また書籍『第7回日本伝道会議 宣教ガイド2023 「おわり」から「はじめる」宣教協力』(いのちのことば社)を参照

◆連載 JCE7を聞く(委員、各プロジェクト、宣言文など)

①小平牧生実行委員長 共通のゴールを再確認 

②中西雅裕プログラム局長 より本質に向かう機会に 

③福井誠プログラム局員 皆の意見を反映した内容に 

④ 羽鳥頼和 開催地委員長 「東海」を宣教モデルとして 地域協力の土壌をさらに 

⑤「S&L」共同代表 内山勝さん 賜物を結ぶ出会いの場を 

⑥ プロジェクト「世代循環」「過渡期こそ本質を」 

⑦ プロジェクト「日本社会と宣教」「ディアスポラ」

⑧ プロジェクト「ファミリーミニストリー・サミット」「平和研究会」 

⑨ 宣教協力を考える会 教団教派の新パートナー、開拓者アセスメント&開拓支援センター 

⑩ 学びの場を各地に すべてのまちに教会を 

⑪ 多次元の聖書文脈探訪 終末への包括的な課題 

⑫終  宣言文は「祈り」に 赤坂泉氏(JCE7宣言文作成委員会委員長) 

 

◆JCE6からの主な経過

 ▶JCE6の概要

JCE6は、神戸市で開催され、全国の多様な教会、団体から2千人以上が参加した。主講師には、第3回ローザンヌ世界宣教会議で「ケープタウン決意表明」の主筆を務めた、世界的な旧約学者クリストファー・J・H・ライト氏(ランハム・パートナーシップ国際総主事)が立った。

従来講師の話を一方的に聞く「劇場型」だった座席は、各グループごとにテーブルに着く形式となり、「コイノニア」として、大会を通じて、対話を深めた。

ライト氏の関連書としてジョン・ストット氏との共著の『今日におけるキリスト者の宣教』が、日本宣教全体のデータ分析については、『データブック日本宣教のこれからが見えてくる キリスト教の30年後を読む』が刊行された。

15のプロジェクトを中心に多様な分科会、宣教大会、ツアー、青年大会なども開かれた。

開催地プロジェクトとして「コイノニア・ネットワーク@神戸」が立ち上げられ、6つのアナロギア(日本福音同盟専門委員会と相似の委員会)とコイノニア(今大会の奉仕者募集と訓練を通して発掘された良い人材)が期待された。

15プロジェクトは、

①聖書信仰の成熟を求めて、

②日本社会と教会:地域に開かれた教会に向けて、

③教会と「国家」―戦後70年に際して、キリストの平和をつくり出す者となるために、

④持続可能な社会の構築、

⑤災害対応を通して仕える教会、

⑥ファミリーミニストリー、

⑦ディアスポラ宣教協力、

⑧ビジネス宣教協力の次世代構想、

⑨教会開拓、教会増殖[宣教]、

⑩痛みを担い合う教会、

⑪青年宣教、

⑫子ども、

⑬日本宣教170▶200、

⑭宣教協力とそのインフラ造り、

⑮教会の誠実さへの変革

 

 ▶JCE6後から1年前までの主な経過

クリスチャン新聞web版検索「日本伝道会議」JCE7」も参照

各プロジェクトは、日本福音同盟(JEA)の6委員会(神学、社会、援助協力、女性、宣教、青年)に対応するものも多く、各員会の働きと連動して、取り組みが展開された。

「コイノニア・ネットワーク@神戸」は、継続的な集会、セミナーなどを実施し地域の宣教協力をつなげた。神戸青年アナロギア委員会も定期的な集会を開催した。17年には改めて「JEA宣教フォーラム@KOBE」が神戸市で開催された。18年に関西7神学校協力が試みられるなど、地域の宣教協力に刺激を与えた。

JEA宣教委員会は、宣教フォーラム、宣教研究、異文化宣教ネットワーク、の3部門に再編。研究部門は、教会アンケートなどを実施して、データ収集、分析、情報発信をした。

異文化宣教ネットワーク部門は在外日本語集会や国内外国語教会のネットワーク形成に努めた。定期会合「ひろばグローカル」で広く情報共有をしている。複数の外国語教会合同のネットワークによる、エスニック・ミニストリーズ・ネットワーク・ジャパンが17年に設立され、これに協力した。収容者の劣悪な環境下での死や入管法改正が問題になる中、国内難民支援などについても連携した。

19年には、「九州宣教フォーラム2019」。20年には、「コロナ禍で、宣教について考える」をテーマに、オンラインによる「宣教フォーラム」が開催された。「宣教フォーラム福島2021」が開催され、東日本大震災から10年を振り返り、宣教の在り方を議論した。

17年に、9年ぶりに「東海宣教会議」が開催され、地域の宣教協力が意識される中、18年のJEA総会で、JCE7の開催地を「東海地域」と決定した。21年に岐阜での開催が発表され、「2年前大会」がオンラインで開催された。東海の開催地委員会からは「東海の宣教の歴史」が回顧展望された。

参照→ 2023年第7回日本伝道会議 何を共有し、確認し、目指すのかー実行委員座談会 

 ▶各プロジェクトの動き

神学委員会は『「聖書信仰」の成熟をめざして』を17年に刊行。日本福音主義神学会および各部会でも21年に「キリスト者の成熟」がテーマにされ、教会、社会、文化が議論。東部部会ではLGBTQについて話題になった。

社会委員会は、19年の「天皇代替わり」など信教の自由にかかわるテーマについて、神学、女性、青年各委員会と協力した催し開催やブックレット作成をした。コロナ禍と教会のテーマも取り扱った。

防災分野では、九州キリスト災害支援センターが中心となって、『「キリストさん」と呼ばれて 支援の現場から宣教を考える』が18年、『「キリストさん」が拓く新たな宣教 災害大国日本に生きる教会と共に』が19年に刊行された。各地の教会災害ネットワークが協力し、「キリスト全国災害ネット」が19年、「クリスチャン防災士ネットワーク」が21年に発足。セミナーや会合を継続するほか、相次ぐ災害対応にネットワークが生かされた。

環境のプロジェクトからは、新たに「『福音に生きる持続可能な社会』をめざす環境コン​​​ソーシアム」(聖書的環境コンソーシアム)が設立され、情報発信やセミナー、シンポジウムなどを開催した。『聖書とエコロジー』の著者リチャード・ボウカム氏の講演会には幅広い参加者があった。

教会開拓の分野では「教会増殖ビジョンフェスタ」など定期的集会で、国内外の開拓の事例を共有した。『教会増殖 日本という土壌に福音を満たす』というテーマの本も19年に刊行されている。地方宣教に関して、『痛みを担い合う教会 東日本大震災からの宿題』が17年に、教会と福祉に関して、『社会に開かれた教会 地域の福音となる新たな一歩』が19年に出版された。

18年には第二回日本青年伝道会議が開催された。子どもプロジェクトを担った「4/14の窓」は、教会における青少年のアンケートを実施。国際大会の参加や、地域ごとの集会でネットワークを広げた。

女性委員会が実施していた、「かたり場」は、コロナ禍をへて、オンラインで幅広い参加者に広がった。女性、子ども、青年にかかわる幅広いテーマを考える場として21年には「ファミリー・ミニストリーサミット」を開催。アジア福音同盟D6ファミリーカンファレンスに、JEAとして積極的に協力した。

「ビジネス宣教協力の次世代構想」はANRC、日本ローザンヌ委員会のR&D部門とかかわりながら国内外の潮流の情報収集、対話に努めた。

 

 ▶JCE7、1年前からの主な経過(記事リンク)

「心の堤防こえ愛を流して」 宣教フォーラムin岐阜 JCE7一年前キックオフ大会始まる 

JCE7まで1年 岐阜でJEA宣教フォーラム  宣言文「一次案」意見広く求める  

プレ東海フェス 「堤防」こえ、恵み流そう 「宣教フォーラムin岐阜」とともに 

「働き手」と「宣教協力」語る JCE7関東大会開催 

JCE7宣言文第二次案公開 地区大会開催 現場から意見 四国大会 

JCE79月開催前に 各地で地区大会 北海道 福音へ信頼さらに 

「信徒が生き生き宣教」証しとアンケートも実施 日本伝道会議 東北地区大会 

「七つの祈り」JCE7開催地・東海合同祈祷会で 「主のからだ」なら一致できる 

沖縄集会 平和、少数者、先祖礼など討議 JCE7伝道会議地区大会 

JCE7集会内容明らかに 多様な分科会、プロジェクトテーマも発表 

JCE7参加者で初の祈祷会「想像以上の神の働き期待」 

「〝今〟の希望でもある」 会議目前「JCE7第二回祈祷会」開催 

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